“鋼鉄色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はがねいろ50.0%
かうてついろ25.0%
こうてついろ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秋もう末——十月下旬の短い日が、何時しかトツプリと暮れて了つて、霜も降るべく鋼鉄色はがねいろに冴えた空には白々と天の河がよこたはつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
澄み切つた鋼鉄色かうてついろの天蓋をかづいて、寂然じやくねんと静まりかへつた夜の盛岡の街を、唯一人犬の如く彷徨うろつく楽みは、其昔、自分の夜毎に繰返すところであつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
蜥蜴の体は最早トラの胃の中にあるに、切れて落ちた鋼鉄色こうてついろの尾の一片は、小さな一疋の虫かなんぞの様にぐるっといたりほどけたりして居る。トラめは其れも鵜呑うのみにして了うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)