鋼鉄色かうてついろ)” の例文
澄み切つた鋼鉄色かうてついろの天蓋をかづいて、寂然じやくねんと静まりかへつた夜の盛岡の街を、唯一人犬の如く彷徨うろつく楽みは、其昔、自分の夜毎に繰返すところであつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)