“うちまも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
打目戍50.0%
打守20.8%
打瞶12.5%
打目守4.2%
打矚4.2%
打戍4.2%
凝視4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一斉に彼のおもてを注視せし風早と蒲田とのまなこは、更に相合うていかれるを、再び彼方あなたに差向けて、いとどきびし打目戍うちまもれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
栗うりの童は、逸足いちあしいだして逃去り、学生らしき男は、あくびしつつ狗をしっし、女の子はあきれて打守うちまもりたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
まさにこのときともかたあらわれたる船長せんちょうは、矗立しゅくりつして水先を打瞶うちまもりぬ。俄然がぜん汽笛の声は死黙しもくつんざきてとどろけり。万事休す! と乗客は割るるがごとくに響動どよめきぬ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姫は我手をりて、我面を打目守うちまもり、その事をば館の人々まだ一たびも我に告げざりき、さては我うからの御身に負ふ所はいと大いなりと宣給ひぬ。
案内者は皆この詞の誤らざるを證せり。一行の後には、さきの乞丐かたゐの群猶隨ひ來り、皆目をみはりて我等を打目守うちまもれり。
彼はことさらみはれるまなここらして、貫一のひて赤く、笑ひてほころべるおもての上に、或者をもとむらんやうに打矚うちまもれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
始に何者なりやとおどろかされし貫一は、今又何事なりやといよいあきれて、彼の様子を打矚うちまもれり。たちまち有りて貫一のまなこ慌忙あわただしもとむらん色をして、婦人のうつむけるをうかがひたりしが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お父さまは敏ちやんの寢顏を打戍うちまもり乍ら仰有おつしやいます「圭一郎に瓜二つぢやなう」とか「燒野の雉子きゞす、夜の鶴——圭一郎は子供の可愛いといふことを知らんのぢやらうか」
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
しかも同じ自分の眼は千登世を打戍うちまもつてゐなければならなかつた。愛の分裂——と言ふ程ではなくとも、何んだか千登世をけがすやうな例へやうのない濟まなさを覺えた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
燃ゆる眼で飽かずおんみを凝視うちまもるをみそなはすでござりませう。