打守うちまも)” の例文
にぎりもて餘しける處へ奧の方よりお專はすぐと立ち出で座につきて皆々へ挨拶あいさつするに一座の人々不審ふしんはれず是は何方の女中ぞやとお專がかほ打守うちまもるに叔母女房も之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
栗うりの童は、逸足いちあしいだして逃去り、学生らしき男は、あくびしつつ狗をしっし、女の子はあきれて打守うちまもりたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
正太しようたはあつともはず立止たちどまりしまゝいつもごとくはだききつきもせで打守うちまもるに、彼方こなた正太しようたさんかとてはしり、おつまどんおまへものらば此處こゝでおわかれにしましよ、わたし此人このひとと一しよかへります
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
といひかけ、うなづくわたくしかほ打守うちまもりて、きつおもてあらため
主人あるじは大隊長と巻烟草みて、銃猟のはなしせばやと、小部屋カビネットのかたへゆくほどに、われはさきよりこなたを打守うちまもりて、珍らしき日本人にものいひたげなる末の姫に向ひて
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)