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みい
ふりがな文庫
“
見入
(
みい
)” の例文
といって、ある日そっと
娘
(
むすめ
)
の
後
(
あと
)
から
一間
(
ひとま
)
に
入
(
はい
)
って
行
(
い
)
きました。そして
娘
(
むすめ
)
が
一心
(
いっしん
)
に
鏡
(
かがみ
)
の中に
見入
(
みい
)
っているうしろから、
出
(
だ
)
し
抜
(
ぬ
)
けに
松山鏡
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
私
(
わたし
)
は、じっと、この
青
(
あお
)
い
色
(
いろ
)
に
見入
(
みい
)
っていると、
魂
(
たましい
)
も、
身
(
み
)
も、いっしょに、どこか
遠
(
とお
)
いところへ
消
(
き
)
えていきそうに
思
(
おも
)
います。」
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
虻
(
あぶ
)
の
羽音
(
はおと
)
を、
聞
(
き
)
くともなしに
聞
(
き
)
きながら、
菊之丞
(
きくのじょう
)
の
枕頭
(
ちんとう
)
に
座
(
ざ
)
して、じっと
寝顔
(
ねがお
)
に
見入
(
みい
)
っていたのは、お七の
着付
(
きつけ
)
もあでやかなおせんだった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
燒趾
(
やけあと
)
の
灰
(
はひ
)
から
出
(
で
)
て
青銅
(
せいどう
)
のやうに
變
(
かは
)
つた
銅貨
(
どうくわ
)
はぽつ/\と
燒
(
や
)
けた
皮
(
かは
)
を
殘
(
のこ
)
して
鮮
(
あざや
)
かな
地質
(
ぢしつ
)
が
剥
(
む
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
はそれを
目
(
め
)
に
近
(
ちか
)
づけて
暫
(
しばら
)
く
凝然
(
ぢつ
)
と
見入
(
みい
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それにこうして平然と、画面に
見入
(
みい
)
っていていいものかしら、赤外線男の出てくるには
屈強
(
くっきょう
)
な地下室ではないか。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
愛
(
あい
)
ちやんは
熟
(
じツ
)
と
考
(
かんが
)
へ
初
(
はじ
)
めました、『さて、
私
(
わたし
)
がそれを
家
(
うち
)
へ
伴
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
何
(
ど
)
うしやう?』やがて
又
(
また
)
甚
(
ひど
)
く
唸
(
うな
)
つたので、
愛
(
あい
)
ちやんは
驚
(
おどろ
)
いて
其顏
(
そのかほ
)
に
見入
(
みい
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
見入
(
みい
)
っているのではない。まさしくそれは心に聴き入っていると言った方が適切である。万一の場合を気遣って、御警固
旁々
(
かたがた
)
座に控えていた者はたった四人。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
凄いほどな麗人といふよりも美しい野の少女が
朱
(
あけ
)
の頬を
火照
(
ほて
)
らしながら、それでも瞳を反らしてしまはずに、うるんだ眼差しで、凝と
見入
(
みい
)
つてゐるやうな、捨てがたい
春
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
かゝりけれども
猶
(
な
)
ほ一
片
(
ぺん
)
誠忠
(
せいちう
)
の
心
(
こゝろ
)
は
雲
(
くも
)
ともならず
霞
(
かすみ
)
とも
消
(
き
)
えず、
流石
(
さすが
)
に
顧
(
かへ
)
りみるその
折々
(
をり/\
)
は、
慚愧
(
ざんぎ
)
の
汗
(
あせ
)
背
(
そびら
)
に
流
(
なが
)
れて
後悔
(
かうくわい
)
の
念
(
ねん
)
胸
(
むね
)
を
刺
(
さし
)
つゝ、
是
(
こ
)
は
魔神
(
ましん
)
にや
見入
(
みい
)
れられけん、
有
(
あ
)
るまじき
心
(
こゝろ
)
なり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
帰
(
かへ
)
るともせず、
密
(
ひそ
)
やかに、はた、
果
(
はて
)
しなく
見入
(
みい
)
りぬる。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
被衣
(
かつぎ
)
のひまに
見入
(
みい
)
るれば、あな『
我
(
われ
)
』なりき
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
ひと一ばい熱心に
見入
(
みい
)
るのも
道理
(
どうり
)
なわけ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弟
(
おとうと
)
は、めずらしい
写真
(
しゃしん
)
に
見入
(
みい
)
ったり、また
書
(
か
)
いてあるおもしろそうな
記事
(
きじ
)
に、
心
(
こころ
)
を
奪
(
うば
)
われて、いろいろの
空想
(
くうそう
)
にふけるであろうと
思
(
おも
)
ったのでした。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
飴売
(
あめうり
)
土平
(
どへい
)
の
道化
(
どうけ
)
た
身振
(
みぶ
)
りに、われを
忘
(
わす
)
れて
見入
(
みい
)
っていた
人達
(
ひとたち
)
は、
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたような「おせんが
来
(
き
)
た」という
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
くと、一
齊
(
せい
)
に
首
(
くび
)
を
東
(
ひがし
)
へ
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
けた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼は
爛々
(
らんらん
)
たる眼で
見入
(
みい
)
った。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
老
(
おい
)
ほけて、
見入
(
みい
)
るしばしを
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
それから、
子供
(
こども
)
はひとり、
空
(
そら
)
や
鳥
(
とり
)
の
影
(
かげ
)
ばかりでなく、
花
(
はな
)
や、
石
(
いし
)
や、
木
(
き
)
や、なにに
対
(
たい
)
してもじっと
見入
(
みい
)
って、
深
(
ふか
)
くものを
思
(
おも
)
うようになったのであります。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
母
(
はは
)
の
方
(
ほう
)
へは
行
(
い
)
かずに、四
畳半
(
じょうはん
)
のおのが
居間
(
いま
)
へ
這入
(
はい
)
ったおせんは、
直
(
す
)
ぐさま
鏡
(
かがみ
)
の
蓋
(
ふた
)
を
外
(
はず
)
して、
薄暮
(
はくぼ
)
の
中
(
なか
)
にじっとそのまま
見入
(
みい
)
ったが、二
筋
(
すじ
)
三
筋
(
すじ
)
襟
(
えり
)
に
乱
(
みだ
)
れた
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
を、
手早
(
てばや
)
く
掻
(
か
)
き
揚
(
あ
)
げてしまうと
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「ああ、それがいい。この
画
(
え
)
の
意味
(
いみ
)
は、どうやらわかるようだ。」と、
先生
(
せんせい
)
は、いつまでも
画
(
え
)
に
見入
(
みい
)
っていました。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
娘
(
むすめ
)
は、
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
って、その
花
(
はな
)
を
庭
(
にわ
)
に
植
(
う
)
えました。そうして、
朝晩
(
あさばん
)
、
花
(
はな
)
に
水
(
みず
)
をやって、
彼女
(
かのじょ
)
はじっとその
花
(
はな
)
の
前
(
まえ
)
にかがんで、その
花
(
はな
)
に
見入
(
みい
)
りました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
娘
(
むすめ
)
にあうかしら?」と、
首
(
くび
)
をかしげて
見入
(
みい
)
られたであろう
母親
(
ははおや
)
のすがたさえ、
目
(
め
)
にうかんでくるのでした。
田舎のお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、しばらくうっとりとして、
身
(
み
)
の
周囲
(
まわり
)
に
咲
(
さ
)
いている
花
(
はな
)
や、ちょうにじっと
見入
(
みい
)
っていましたが、しまいには、
自分
(
じぶん
)
もなにかの
唄
(
うた
)
を
口
(
くち
)
ずさむのでありました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
くまは、さも
同意
(
どうい
)
を
求
(
もと
)
めるように、ただちに、
酒
(
さか
)
だるの
前
(
まえ
)
にきて、じっとそれに
見入
(
みい
)
っていたのです。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
女
(
おんな
)
は
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
から、
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
なろうそくを
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げました。そして、じっとそれに
見入
(
みい
)
っていましたが、やがて
金
(
かね
)
を
払
(
はら
)
って、その
赤
(
あか
)
いろうそくを
持
(
も
)
って
帰
(
かえ
)
ってゆきました。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いままで
遊
(
あそ
)
びに
気
(
き
)
をとられていた
子供
(
こども
)
らは、
目
(
め
)
を
丸
(
まる
)
くしてそのじいさんの
周囲
(
しゅうい
)
に
集
(
あつ
)
まって、
片方
(
かたほう
)
の
箱
(
はこ
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
てたいろいろの
小旗
(
こばた
)
や、
不思議
(
ふしぎ
)
な
人形
(
にんぎょう
)
などに
見入
(
みい
)
ったのです。
空色の着物をきた子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子供
(
こども
)
の
目
(
め
)
に、その
絵
(
え
)
は、どんなふうに
映
(
うつ
)
ったでしょうか。それをだれも
知
(
し
)
る
人
(
ひと
)
はありません。しかし
正
(
しょう
)
ちゃんは、そのうちわを
持
(
も
)
つと、じっとその
絵
(
え
)
に
見入
(
みい
)
っていました。
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「まことに、けっこうな
品
(
しな
)
です。」と、りこう
者
(
もの
)
はただいったきりで、あくまで
仏像
(
ぶつぞう
)
に
見入
(
みい
)
っていました。
男
(
おとこ
)
は、その
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
じられないような、へんな
気持
(
きも
)
ちがしました。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は、この
黄昏方
(
たそがれがた
)
に、じっとさかずきを
手
(
て
)
に
取
(
と
)
って、
見入
(
みい
)
りながら、
利助
(
りすけ
)
というような
名人
(
めいじん
)
が百
年前
(
ねんまえ
)
の
昔
(
むかし
)
、この
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
存在
(
そんざい
)
していたことについて、とりとめのない
空想
(
くうそう
)
から
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど、この
子供
(
こども
)
が、
黙
(
だま
)
って、じっとものに
見入
(
みい
)
っているのを
見
(
み
)
て、
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に、どんなことを
考
(
かんが
)
えているか? やはり、だれもそのことを
知
(
し
)
るものはなかったでありましょう。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それに、じっと
見入
(
みい
)
っていると、そのころ、いっしょに
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
や、
花
(
はな
)
をつんで
遊
(
あそ
)
んだ
近所
(
きんじょ
)
の
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
や、
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
の
姿
(
すがた
)
が、ありありと
目
(
め
)
さきにちらつくように
映
(
うつ
)
ってくるのでした。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二郎
(
じろう
)
は、しみじみと、この
短
(
みじか
)
い
青
(
あお
)
と
赤
(
あか
)
に
塗
(
ぬ
)
り
分
(
わ
)
けられた一
本
(
ぽん
)
の
笛
(
ふえ
)
に、
見入
(
みい
)
っていました。
赤い船のお客
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
は、ほかにだれもいないときに、
銀貨
(
ぎんか
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して
見入
(
みい
)
っていました。すると、
遠
(
とお
)
い、
港
(
みなと
)
の
街
(
まち
)
や、
空
(
そら
)
や、
丘
(
おか
)
や、
木立
(
こだち
)
の
影
(
かげ
)
が、ありありと
夢
(
ゆめ
)
のように、
記憶
(
きおく
)
に
浮
(
う
)
かんでくるのでした。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
頭
(
あたま
)
を、かしげながら、ほこりに、よごれた
紙
(
かみ
)
を、あけてみると、べいごまが、六つばかり
入
(
はい
)
っていました。
信
(
しん
)
一は、
急
(
きゅう
)
になつかしいものを、
見
(
み
)
いだしたようにしばらくそれに
見入
(
みい
)
っていました。
赤土へくる子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とこなつの
花
(
はな
)
は、
頭
(
あたま
)
を
上
(
あ
)
げて、じっと
太陽
(
たいよう
)
の
光
(
ひかり
)
に
見入
(
みい
)
っていました。このとき、
青
(
あお
)
い
空
(
そら
)
をかすめて、どこからともなく、一
羽
(
わ
)
の
鳥
(
とり
)
が
飛
(
と
)
んできました。
最初
(
さいしょ
)
は、ほんの
黒
(
くろ
)
い
点
(
てん
)
のように
見
(
み
)
えたのです。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「お
母
(
かあ
)
ちゃんが、お
母
(
かあ
)
ちゃんが……。」といいました。
哀
(
あわ
)
れな
子供
(
こども
)
は、ものいわない
絵
(
え
)
に
見入
(
みい
)
って、
泣
(
な
)
きやむのがつねでありました。そして、
小
(
ちい
)
さな
指
(
ゆび
)
で、うちわに
描
(
か
)
かれた、
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
を
指
(
ゆび
)
さして
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんな、ささやきが
聞
(
き
)
こえると、
答案
(
とうあん
)
に
見入
(
みい
)
っていられた
先生
(
せんせい
)
は
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当