“幼心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おさなごころ75.0%
をさなごころ10.0%
をさなごゝろ10.0%
おさなこごろ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
快川和尚かいせんおしょうが、幼心おさなごころへうちこんでおいた教えの力が、そのとき、かれの胸に生々いきいきとよみがえった。にっこりと笑って、涙をふいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その三畳の格子かうしの前のところで、軽いなまめかしい駒下駄の音が来て留つた。かれは幼心をさなごころにもそれが誰だかちやんと知つてゐた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
父樣とつさまにも勘藏かんざうにも乳母ばあやにはべつしてのこといろ/\と苦勞くらうをかけまして今更いまさらおもへばはづかしいやらおどくやら幼心をさなごゝろのあとさきずにほどのない無分別むふんべつさりながらきぬいのちかやことたすかりしを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みよ子自身、もはや父に対してなんの反感もなかつた、寧ろこれからこそ父に甘へて行きたい幼心おさなこごろで一杯だつた。彼女はなんとかして兄をなだめたかつた、優しい素直な心の兄に返つてもらひたかつた。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)