“いいわけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
弁解30.5%
言訳25.6%
分疏12.2%
云訳9.8%
弁疏9.8%
言訣4.9%
分弁1.2%
解説1.2%
言分1.2%
辯解1.2%
陳弁1.2%
陳謝1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前夜遅くまで家に帰らなかった弁解いいわけは出来ないし、先生との関係がどんな風だか、下村さん達がいったし、それに先生の書き置きでしょう。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
障子の破れに、顔が艶麗あでやかに口のほころびた時に、さすがにすごかつた。が、さみしいとも、夜半よなかにとも、何とも言訳いいわけなどするには及ばぬ。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
姫の目はよくものいうのみにあらず、人のいわぬことをもよく聞きたりけん、分疏いいわけのように語をつぎて
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「どうも御待たせ申しまして、実はひげっていたものだから、途中でやめる訳にも行かず……」と高木は叔父の顔を見るや否や云訳いいわけをした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
母はさも愛想あいそらしくまた弁疏いいわけらしく口をいて、「二郎、御苦労だったね、早く御休み。もうよっぽど遅いんだろう」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
爺さんは言訣いいわけのように、このへんは往来から見えるところに物を置くのは危険だということを話した。石田が長靴を脱ぐと、爺さんは長靴も一しょに持って先に立った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
許宣はびっくりして分弁いいわけしようとしたがその隙がなかった。彼の体にはもう縄がひしひしと喰いいってきた。彼はその場から府庁に曳かれて往った。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「私は、決して、そんな悪いものではありません、それをあなたに分弁いいわけしたくてまいりました」
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『日本紀』七や『豊後風土記』に景行帝十二年十月碩田国おおきたのくにみゆきし稲葉河上に土蜘蛛を誅せしに血流れてつぶなきに至るそこを血田というとあるのも土が赤かったからの解説いいわけだろ
と腹立紛れに粂之助の領上えりがみを取って引倒して実の弟を思うあまりの強意見こわいけん涙道るいどうなみだを浮べ、身を震わせながら粂之助を畳へこすり附ける。粂之助は身の言分いいわけが立ちませぬから
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
云って、わしに辯解いいわけをすると共に、お前自身に辯解をしているのじゃ。それがいけない。それがお前の一番の欠点じゃ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「じゃって、病気をすっがわるかじゃなっか」と幾たびか陳弁いいわけすれど、なお妙に胸先むなさきに込みあげて来るものを、自己おのれは怒りと思いつつ、果てはまた大声あげて、お豊に当たり散らしぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
卑民これを殺さば必ず礼を以て火葬し、そのやむをえざるに出でしを陳謝いいわけす。