辯疏いひわけ)” の例文
新字:弁疏
しかなにれには意味いみがあるやうにおもはれる。「——およげないとの辯疏いひわけで——」其方そのはうにはおよげぬか、え?』つて軍人ネーブはう御覽ごらんになりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
『え、被來いらしつてよ。』と言つた顏は心持赧かつた。『それに、今日は三十日ですから少し月末の調べ物があつて……。』と何やら辯疏いひわけらしく言ひながら、下駄を脱いで
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『そんなわけぢやなくッてよ』とやさしくもあいちやんが辯疏いひわけしました。『眞箇ほんと腹立はらだちッぽいのね、もうおこつてゝ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
何有なあに!』とお由は又言つた。そして、先刻から三度目の同じ辯疏いひわけを、同じ樣な詰らな相な口調で附け加へた、『晩方に庭の臺木どぎ打倒ぶんのめつてつたつけア、腰ア痛くてせえ。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『さうか、眞箇ほんとうに!』とはとひど輕蔑けいべつした口調くてうで、『これまでに澤山たくさんちひさなをんなたが、人間にんげんはそんなくびをしちやない!いや/\!おまへへびだ、なん辯疏いひわけしても駄目だめだ。 ...
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「だつて、那麽あんな切懸きつかけだつたんだもの。」と心で辯疏いひわけして見ても、どうやら氣が落着かない。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
九時半頃、秋野教師が遲刻の辯疏いひわけを爲い/\入つて來て、何時も其室の柱に懸けて置く黒繻子の袴を穿いた時は、後から/\と來た新入生も大方來盡して、職員室の中は空いてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『千早さん、先刻さつきは急しい時で……』と諄々くど/\辯疏いひわけを言つて
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)