“退去”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すさ22.2%
たちさ22.2%
おひけ11.1%
しさ11.1%
ずさ11.1%
たいきょ11.1%
たいきよ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おつぎはあと退去すさつた。おつぎはほとんど無意識むいしき土手どてみなみはしつた。處々ところ/″\だれかゞ道芝みちしばしばあはせていたので、おつぎは幾度いくたびかそれへ爪先つまさきけてつまづいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「これはよくぞ申された、仔細あってのご退去とあれば止めだて致すはかえって失礼、ご随意にお退去たちさりください。しかし拙者の察するところ木曽へお帰りではござるまいがな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
神樣は退去おひけになる、猪頭おかしらばかり殘つてる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
佐平は巡査の背後うしろから一間ばかりも、大狼狽おおあわて狼狽あわてあと退去しさった。顔は驚きの表情で緊張していた。皆が一斉に佐平の方を見た。佐平は眼をむいて巡査の背中に視線をやった。若い巡査はいぶかった。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
武庫川むこがわの辺まで来ると、春の小糠雨こぬかあめは急に山からと海からとの風に掻きまわされて、痛いような水粒すいりゅうが笠の下へも吹きつけてくる。——師直の馬はしばしば物驚きをしてあと退去ずさった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、一同に退去たいきょめいじた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此者このもの共儀今曉こんげう寅刻なゝつどき頃主人近江守持場もちば御橋の中程に於て口論こうろん箇間敷がましき儀申つのり居候故番所より聲掛こゑかけ追拂はんと致せし處一圓退去たいきよ仕つらず互いにつかみ合金八十兩を双方さうはう自分の物の由申爭ひ候段御場所柄ばしよがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)