“退却”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たいきゃく58.3%
たいきやく16.7%
あとすざり8.3%
あとずさり8.3%
しりぞ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもわぬことにほこさきをくじいたおつ軍勢ぐんぜいけて退却たいきゃくいたしますと、今度こんどこう軍勢ぐんぜいきゅういきおいをかえして、げるおつ軍勢ぐんぜいってゆきました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まゝよ、一分いつぷんでも乘後のりおくれたら停車場ステエシヨンから引返ひきかへさう、それがい、と目指めざ大阪おほさかかたきつて、うもうはじめから豫定よてい退却たいきやく畫策くわくさくするとふのは、あんずるに懷中くわいちうのためではない。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「綺麗なお顔だというンだから、ほほほ」と用心しながら退却あとすざりをして、「いいじゃア……おッ……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
丑松はまだ詑び足りないと思つたか、二歩三歩ふたあしみあし退却あとずさりして、『許して下さい』を言ひ乍ら板敷の上へひざまづいた。何事かと、後列の方の生徒は急に立上つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
……ええか……よく聞け……軍医の学問の第一として教えられることは自傷ゼルウー鑑別方法みわけかたである。戦場から退却しりぞきたさに、自分自身で作る卑怯な傷の診察し方である。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)