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たいきやく
まゝよ、
一分でも
乘後れたら
停車場から
引返さう、それが
可い、と
目指す
大阪を
敵に
取つて、
何うも
恁うはじめから
豫定の
退却を
畫策すると
云ふのは、
案ずるに
懷中のためではない。
已むを
得ず、一
時、
松林の
方に
退却したが、
如何も
掘りたくて
耐えられぬ。それで
余と
玄子とは
松林に
待ち、
望生一
人を
遣つて『いくらか
出すから、
掘らして
呉れ』と
申込ましたのである。
意気の
凛然たる一行中尤
著るし、木村君は
初め一行に
向つて
大言放語、利根の
険難人力の
及ぶ所に
非ざるを談じ、一行の元気を
沮喪せしめんとしたる人なれ共、
本と水上村の産にして
体脚強健