“あとずさり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
後退57.1%
後逡14.3%
退却14.3%
逡巡14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まあ眉間から血が出て。」と懐紙ふところがみにて押拭おしぬぐう、優しさと深切が骨身にみこむ、鉄はぶるぶる。「もう、可うございます。いえもう何ともありません。」と後退あとずさり
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
取てさかさ捻上ねぢりあげ向うの方へ突飛すに大力のはずみなれば蜻蛉とんぼ返りを打て四五間先へ倒れたり是を見て雲助共は少し後逡あとずさりをなせしがイヤ恐しいやつ平氣なつらをして居を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
丑松はまだ詑び足りないと思つたか、二歩三歩ふたあしみあし退却あとずさりして、『許して下さい』を言ひ乍ら板敷の上へひざまづいた。何事かと、後列の方の生徒は急に立上つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
戸を開けて入つて来たのは丑松で、入るや否や思はず一歩ひとあし逡巡あとずさりした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)