“しりごみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
逡巡60.6%
後退12.1%
尻込9.1%
後込9.1%
尻籠6.1%
辟易3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
否食ってしかるべき滋味と心得るようになってからは、剥膳はげぜんに向って逡巡しりごみした当時がかえって恥ずかしい気持になった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼には、美奈子が返事をしないのが、処女らしい恥しさと後退しりごみのためだとより、思はれなかつた。彼は、最初から誘はなければよかつたと思ひながら、一寸気まづい思ひで、部屋を出た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
その度毎たんびに苦い顔をされたが、何遍苦い顔をされても少しも尻込しりごみしないで口をくして諄々じゅんじゅんと説得するに努めたのは社中の弓削田秋江ゆげたしゅうこうであった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
みんなは驚いて後込しりごみしました。
赤い蝋燭 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
虎でさへが「ドール」に会つては辟易しりごみする。無論一疋と一疋とでは虎には及ばないが、「ドール」君は常に大隊を率ゐて一斉襲撃するから大抵な猛虎は忽ち殺されて了ふ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)