“あとじさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
後退92.7%
跡退2.4%
退歩2.4%
逡巡2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信一郎は、ともすれば後退あとじさりしさうな自分の決心に、頻りに拍車を与へながら、それでも最初の目的どほり、夫人と戦つて見ようと決心した。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
滅多めつた打無念々々と跡退あとじさり既に斯よと見えける處へ惣内は息切いきせきと引返し來りあらそふ聲を聞やいなヤア叔父樣をぢさんか惣内か此奴はお里を追駈おつかけ盜賊たうぞくなるぞとよばはるに惣内心得脇差わきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
陶器師は退歩あとじさりをした。老松の蔭へ身を隠した。主のない焚火は燃えつづけた。飴のように長く延び、時々その先が千切れて飛んだ。トロトロトロトロと燃えつづけた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ですからその子供が大臣の前に出て来るとぶるぶるふるえてから、もう今にもぶん擲ぐられはせぬかといつも逡巡あとじさりをして居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)