“険難”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けんのん80.0%
けんなん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
掌のうえにせてやると、険難けんのんがって鼻をくんくんいわせる。その様子はまるで人間の子供が、「もういい。もういい。」と云っているように見える。
犬の生活 (新字新仮名) / 小山清(著)
だが、その吠える声になんらの険難けんのんはありませんでした。それは自他の警戒のために吠ゆるのではなく、むしろ驚異のために吠えたようなものです——
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
人生は決して平原ではない。山もあれば谷もあり、川もあり、坂もあり、峠もある。不撓不屈ふとうふくつとはこれらの険難けんなんにうち勝つ精神を言ったものである。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
意気いき凛然りんぜんたる一行中尤いちじるし、木村君ははじめ一行にむかつて大言放語たいげんはうご、利根の険難けんなん人力のおよぶ所にあらざるを談じ、一行の元気を沮喪そさうせしめんとしたる人なれ共、と水上村の産にして体脚たいきやく強健きやふけん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)