退去すさ)” の例文
おつぎはあと退去すさつた。おつぎはほとんど無意識むいしき土手どてみなみはしつた。處々ところ/″\だれかゞ道芝みちしばしばあはせていたので、おつぎは幾度いくたびかそれへ爪先つまさきけてつまづいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お登和嬢はしり込して身を退去すさる。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
おつぎがあまえたしたでいつても返辭へんじもしなかつた。勘次かんじ卯平うへいそば退去すさつてたゞおそろしくひがんだ容子ようすをしてた。おつぎもつひにいはなかつた。與吉よきちたゞぐつすりとねむつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじあしもとにずる/\とよこたはつたへびつけた刹那せつなごと悚然ぞつとして退去すさつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)