“道芝”の読み方と例文
読み方割合
みちしば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どれ。」といひて立つたる折、のしのしと道芝みちしばを踏む音して、つづれをまとうたる老夫おやじの、顔の色いと赤きがえんちこはいり来つ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おつぎはあと退去すさつた。おつぎはほとんど無意識むいしき土手どてみなみはしつた。處々ところ/″\だれかゞ道芝みちしばしばあはせていたので、おつぎは幾度いくたびかそれへ爪先つまさきけてつまづいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
氷の如く澄める月影に、道芝みちしばの露つらしと拂ひながら、ゆりかけしたけなる髮、優に波打たせながら、畫にある如き乙女の歩姿かちすがたは、葛飾かつしか眞間まゝ手古奈てこなが昔しのばれて、斯くもあるべしや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)