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道芝
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みちしば
ふりがな文庫
“
道芝
(
みちしば
)” の例文
「どれ。」といひて立つたる折、のしのしと
道芝
(
みちしば
)
を踏む音して、つづれをまとうたる
老夫
(
おやじ
)
の、顔の色いと赤きが
縁
(
えん
)
近
(
ちこ
)
う
入
(
はい
)
り来つ。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おつぎは
後
(
あと
)
へ
退去
(
すさ
)
つた。おつぎは
殆
(
ほと
)
んど
無意識
(
むいしき
)
に
土手
(
どて
)
を
南
(
みなみ
)
へ
走
(
はし
)
つた。
處々
(
ところ/″\
)
誰
(
だれ
)
かゞ
道芝
(
みちしば
)
の
葉
(
は
)
を
縛
(
しば
)
り
合
(
あは
)
せて
置
(
お
)
いたので、おつぎは
幾度
(
いくたび
)
かそれへ
爪先
(
つまさき
)
を
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けて
蹶
(
つまづ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
氷の如く澄める月影に、
道芝
(
みちしば
)
の露つらしと拂ひながら、ゆりかけし
丈
(
たけ
)
なる髮、優に波打たせながら、畫にある如き乙女の
歩姿
(
かちすがた
)
は、
葛飾
(
かつしか
)
の
眞間
(
まゝ
)
の
手古奈
(
てこな
)
が昔
偲
(
しの
)
ばれて、斯くもあるべしや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
駈拔
(
かけぬけ
)
んとて皆々駈出し
頓
(
やが
)
て三里の松原に出で大勢の雲助共今や來ると
彼方此方
(
かなたこなた
)
に
潜
(
ひそ
)
み手ぐすね引て待伏たり半四郎は
神
(
かみ
)
ならぬ身の夢にも知ずたどり/\て
道芝
(
みちしば
)
の
露
(
つゆ
)
踏分
(
ふみわけ
)
つゝ程なくも三里の松原へ差懸るに木の間の月は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
道芝
(
みちしば
)
の
上
(
うへ
)
吹
(
ふ
)
く風よ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
時に、経堂を出た今は、真昼ながら、月光に
酔
(
よ
)
い、
桂
(
かつら
)
の
香
(
か
)
に巻かれた心地がして、乱れたままの
道芝
(
みちしば
)
を行くのが、青く清明なる
円
(
まる
)
い床を通るようであった。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今
(
いま
)
其
(
そ
)
の
祠
(
ほこら
)
は
沼
(
ぬま
)
に
向
(
むか
)
つて
草
(
くさ
)
に
憩
(
いこ
)
つた
背後
(
うしろ
)
に、なぞへに
道芝
(
みちしば
)
の
小高
(
こだか
)
く
成
(
な
)
つた
小
(
ちひ
)
さな
森
(
もり
)
の
前
(
まへ
)
にある。
鳥居
(
とりゐ
)
が
一基
(
いつき
)
、
其
(
そ
)
の
傍
(
そば
)
に
大
(
おほき
)
な
棕櫚
(
しゆろ
)
の
樹
(
き
)
が、五
株
(
かぶ
)
まで、一
列
(
れつ
)
に
並
(
なら
)
んで、
蓬々
(
おどろ/\
)
とした
形
(
かたち
)
で
居
(
ゐ
)
る。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
台
(
うてな
)
を頂く日に二十を下らず、
蓋
(
けだ
)
し、春寒き朝、めづらしき早起の折から、女形とともに
道芝
(
みちしば
)
の霜を分けてお
濠
(
ほり
)
の土手より得たるもの、根を掘らんとして、袂に火箸を忍ばせしを、羽織の袖の
破目
(
やぶれめ
)
より
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
芝
常用漢字
中学
部首:⾋
7画
“道”で始まる語句
道
道理
道程
道化
道傍
道具
道行
道路
道中
道端