“口実”のいろいろな読み方と例文
旧字:口實
読み方割合
こうじつ75.9%
くち6.9%
いいぐさ3.4%
いいだて3.4%
いいまえ3.4%
おしだし3.4%
エクスキュウズ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、不慣れのゆえをもってこの勅使饗応役ちょくしきょうおうやくを御辞退なされるということは、なんら口実こうじつにならんのです。御再考ありたい。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
目送みおくりおもへらく、越後には美人びじん多しと人の口実くちにいふもうべなり、是無他ほかでなし、水によるゆゑなり。
この上は仮設こしらえるべき口実いいぐさの種も尽て居たが、さればと云って小歌に逢わずには居られず、つるんだ金の手もとで出来るはずはないのでよんどころなく巻紙の皺をべて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
お勢は気分の悪いを口実いいだてにして英語の稽古けいこにも往かず、只一間にこもッたぎり、音沙汰おとさたなし。昼飯ひるはんの時、顔を合わしたが、お勢は成りたけ文三の顔を見ぬようにしている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
僕はやがてちょっと町へ出て来るという口実いいまえもとに、午後の暑い日を洋傘こうもりさえぎりながら別荘の附近を順序なく徘徊はいかいした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そっちはそれでよいとして、さて肝心かなめのお豊姫の一条だが、とにかく武男さんの火の手が少ししずまってから、食糧つきの行儀見習いとでもいう口実おしだしで、無理に押しかけるだな。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
また王様もそれを利用してしげしげ日本へやって来る口実エクスキュウズにしていたんだが、君も知っている通り、馴れそめというものは王様が見初めたというんでも何でもない。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)