“いいぐさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
言草54.5%
言種31.8%
言艸6.8%
云草2.3%
口実2.3%
形容2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は節子が長い長い沈黙から——彼女自身の言草いいぐさではないが、まるで口業くごうでも修めていたかのような沈黙から動き変って来て
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
然しかやうな言種いいぐさは映画を徒然のなぐさみに読む絵草紙然たるものとしての見解で(私はそのやうな意味でのみ映画を見がちなものですから)
女占師の前にて (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
とって六十八にもなる兼良のことを、今さら老けたとは妙な言艸いいぐさだが、事実この矍鑠かくしゃくたる老人は、近年めだって年をとった。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
けれども僕には僕でまた相当の云草いいぐさがあるんだ。僕のどんは必ずしも天賦てんぷの能力に原因しているとは限らない。僕に時を与えよだ、僕に金を与えよだ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この上は仮設こしらえるべき口実いいぐさの種も尽て居たが、さればと云って小歌に逢わずには居られず、つるんだ金の手もとで出来るはずはないのでよんどころなく巻紙の皺をべて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
水色かった振り袖を着、鹿子かのこをかけた島田髷へ、ピラピラのかんざしをさしている。色が白くて血色がよくて、眼醒めざめるばかりに縹緻きりょうがよい。古い形容いいぐさだが鈴のような眼つき、それがきわめてあだっぽい。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)