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いいぐさ
ふりがな文庫
“
言草
(
いいぐさ
)” の例文
「君、いろんな
言草
(
いいぐさ
)
は
廃
(
よ
)
してくれ
給
(
たま
)
え。君が友人として僕をいたわってくれた段は実に感謝する。それが好意というものだろう。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
彼は節子が長い長い沈黙から——彼女自身の
言草
(
いいぐさ
)
ではないが、まるで
口業
(
くごう
)
でも修めていたかのような沈黙から動き変って来て
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし滑稽とか
真面目
(
まじめ
)
とか云うのは相手と場合によって変化する事で、高飛びその物が滑稽とは理由のない
言草
(
いいぐさ
)
である。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
アグリでなくてもアの字をつけると次に男が生れるという
言草
(
いいぐさ
)
がある。それもそうかと赤ん坊はアグリとつけられた。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
外
(
ほか
)
の餓鬼が
笊
(
ざる
)
に一ぱい遣るうちに、己は二はい遣るのだ。百姓
奴
(
め
)
びっくりしやぁがった。そして
言草
(
いいぐさ
)
が好いや。里芋の
選分
(
えりわけ
)
は江戸の坊様に限ると抜かしやぁがる。
里芋の芽と不動の目
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
「
空
(
くう
)
の
空
(
くう
)
」だとか、
内部
(
ないぶ
)
だとか、
外部
(
がいぶ
)
だとか、
苦痛
(
くつう
)
や、
死
(
し
)
に
対
(
たい
)
する
軽蔑
(
けいべつ
)
だとか、
真正
(
しんせい
)
なる
幸福
(
こうふく
)
だとか、とこんな
言草
(
いいぐさ
)
は、
皆
(
みな
)
ロシヤの
怠惰者
(
なまけもの
)
に
適当
(
てきとう
)
している
哲学
(
てつがく
)
です。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
チェーホフは
勿論
(
もちろん
)
満足だったに違いない。彼自身の
言草
(
いいぐさ
)
にしたがえば「医学部を出て以来の懸案だった学位論文」が、科学にのみならず直接社会に寄与したのである。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
だが、余りと云えば
突拍子
(
とっぴょうし
)
もない
言草
(
いいぐさ
)
ではないか。一体全体何の理由があって、何の恨みがあって。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鶴見の経験から推量しての
言草
(
いいぐさ
)
であるが、それを手離しでひっ込めようとする気にはなれない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
串戯だよ、串戯だけれどもねえ、その位にさばけておくれだと、それこそお前さんの
言草
(
いいぐさ
)
じゃあないが、誰も冷かしたり、なぶったりなんぞしないようになっちまうわね。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしそれも「赤外線男」事件が本当に解決され、その主人公がマスクをかなぐり捨てたときの
彼
(
か
)
の大きな
駭
(
おどろ
)
きと奇妙な感激とを思えば、一見思わせたっぷりなこの
言草
(
いいぐさ
)
も
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人はかかる
言草
(
いいぐさ
)
を耳にせば
直
(
ただち
)
に
栄耀
(
えいよう
)
の餅の皮といひ
捨
(
す
)
つべし。されど芸術を味ひ楽しむ心はもと貧富の別に関せず。深刻の
情致
(
じょうち
)
は何事によらずかへつて富者の知らざる処なり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
夜は
更
(
ふ
)
けて人の
通行
(
ゆきき
)
も
稀
(
まれ
)
になっていたから
四辺
(
あたり
)
は
極
(
きわ
)
めて静に僕の靴の音、二人の下駄の響ばかり物々しゅう反響していたが、
先刻
(
さっき
)
の母の
言草
(
いいぐさ
)
が胸に
応
(
こた
)
えているので僕も娘も無言
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「何だと、この若造! やい、みんな聞いたか、今のこの野郎の
言草
(
いいぐさ
)
を聞いたか」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
将又
(
はたまた
)
ファルスの発生なぞということに
就
(
つい
)
て一言半句の差出口を加えることさえ不可能であり、
従而
(
したがって
)
、最も
誤魔化
(
ごまか
)
しの利く論法を用いてやろうと心を砕いた次第であるが、——この
言草
(
いいぐさ
)
を、又
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
これは
弘化
(
こうか
)
年度に生れて今まで
存在
(
ながらえ
)
ている
老人
(
としより
)
の
言草
(
いいぐさ
)
のように聞えます。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それが
反対
(
あべこべ
)
に西洋にはこういう例があるの日本の医者がこういうのと悪い
言草
(
いいぐさ
)
の種ばかり覚えて今更お代をイヤがるとは
以
(
もっ
)
ての
外
(
ほか
)
だ。
己
(
おれ
)
たちが相談ずくで
極
(
き
)
めたのだ。イヤもオーもあるものか。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
じゃ
何
(
なん
)
ですか、昨日
私
(
わっち
)
がお話し
仕
(
し
)
やした一件……、ヘヽヽヽヽ
憚
(
はゞか
)
りながら先生、
左様
(
そう
)
申すと
口巾
(
くちはゞ
)
ッてえ
言草
(
いいぐさ
)
でげすが、ごろッちゃらして居アがる野郎の二三人
引摺
(
ひきず
)
って来りゃア訳のねえことでさア
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なぜお前そんな知れ切っている
言草
(
いいぐさ
)
をお
言
(
いい
)
だい。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
御雛様
(
おひなさま
)
に芸者の
立
(
た
)
て
引
(
ひ
)
きがないと云って攻撃するのは御雛様の恋を
解
(
かい
)
せぬものの
言草
(
いいぐさ
)
である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ここにゐる兼吉さんから委細の話は
直
(
じき
)
にあるはず、一口に申せば何でもない事、ただもう清さん恋しやほうやれほといふやうなわけと、何だか分りにくい
言草
(
いいぐさ
)
に兼吉気の毒がり、一中も
最
(
も
)
う沢山
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
もうそんな幼稚な
言草
(
いいぐさ
)
は
廃
(
や
)
め
給
(
たま
)
え。僕は教授と
極
(
ご
)
く
真面目
(
まじめ
)
に話した。どうしても正確なところを聞かなくてはならない理由があるのだという事を、向うに
呑
(
の
)
み込ませたのだ。詰まり
親戚
(
しんせき
)
の処分だねえ。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
それに、はじめお雪さんを無理強いにした
言草
(
いいぐさ
)
が、私の内の楓の樹で、それをお雪さんが
太
(
ひど
)
く
庇
(
かば
)
って
伐
(
き
)
らさなかったからこんなことが起ったんだってね、……そしてなぜ楓の樹を伐らさなかったろう。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの時は、ついあんなわけで、口上の
言草
(
いいぐさ
)
が
癪
(
しゃく
)
に触るから」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「バ、馬鹿ッ。それが親に対する
言草
(
いいぐさ
)
か」
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
わたしには気取った
言草
(
いいぐさ
)
は出来ない。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
生徒の
言草
(
いいぐさ
)
もちょっと聞いた。追って処分するまでは、今まで通り学校へ出ろ。早く顔を洗って、朝飯を食わないと時間に間に合わないから、早くしろと云って寄宿生をみんな
放免
(
ほうめん
)
した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
米友は昨晩の女の
言草
(
いいぐさ
)
を思い出して腹を立てました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ませた
言草
(
いいぐさ
)
で歓楽や事業を
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
“言”で始まる語句
言
言葉
言伝
言語
言下
言上
言訳
言問
言出
言句