“通行”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つうかう33.3%
とほり13.3%
ゆきき13.3%
とほ6.7%
すぎ6.7%
つうこう6.7%
とほりすがり6.7%
ひとゞほり6.7%
みちゆき6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
機械きかいとどろき勞働者ろうどうしや鼻唄はなうた工場こうばまへ通行つうかうするたびに、何時いつも耳にする響と聲だ。けつしておどろくこともなければ、不思議ふしぎとするにもらぬ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その喇叭の音は、二十年来はたと聞こえずなつた。隣村に停車場が出来てから通行とほりが絶えて、電信柱さへ何日しか取除とりのぞかれたので。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夜はけて人の通行ゆききまれになっていたから四辺あたりきわめて静に僕の靴の音、二人の下駄の響ばかり物々しゅう反響していたが、先刻さっきの母の言草いいぐさが胸にこたえているので僕も娘も無言
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さらでだに虫の音も絶え果てた冬近い夜のさびしさに、まだ宵ながら家々の戸がピタリとしまつて、通行とほる人もなく、話声さへ洩れぬ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しらぬ顔して通行すぎしに、広之丞再三参り、私之存念を尋候ものから認め送り候処、内々武藤にも見セシ様子。
そして、子供こどもらはそのなかあそび、通行つうこうするひとたちは、近道ちかみちするために、そのよこぎったのであります。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉野は、濡れに濡れて呼吸いきも絶えたらしい新坊の体を、無造作に抱擁だきかかへて川原に引返した。其処へ、騒ぎを聞いて通行とほりすがり農夫ひやくしやうが一人、提灯を携げて下りて来た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
外は星夜ほしづくよで風の無い静かな晩である。左へまがれば公園脇の電車道、銀之助は右に折れてお濠辺ほりばた通行ひとゞほりのない方を選んだ。ふと気が着いて自家じたくから二三丁先の或家あるいへ瓦斯燈がすとうで時計を見ると八時すぎである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
小柄な体に和服の着流きながしで通行みちゆきのように仕立てたコートを着ている。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)