弁解べんかい)” の例文
旧字:辯解
しかしこういう内省はしても、その内省にとらわれて、彼に会うことを逡巡しゅんじゅんしたり卑屈な弁解べんかいを考えてみたりする信長ではなかった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼく、よくえたら、つくようながするし、らすのはかわいそうとおもったんだよ。」と、賢吉けんきちは、弁解べんかいしました。
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はなし段々だん/\すゝんだ。わたし詰問きつもんたいして、つまは一ととほり弁解べんかいをしてから、それこひふほどではなかつたと説明せつめいする。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
れば瘠我慢の一主義はもとより人の私情にいずることにして、冷淡れいたんなる数理より論ずるときはほとんど児戯じぎに等しといわるるも弁解べんかいなきがごとくなれども、世界古今の実際において
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
すこしでも刀を抜いているところを見付けられでもしようものなら、弁解べんかいも何も取り上げられずに、そのまま平河口ひらかわぐちから網乗物あみのりものほうり込まれて屋敷へ追い返されることになっているのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
アンは、そういって弁解べんかいしたのち、いろいろと、フォー機嫌きげんをとった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
駄目だめだ、いくら弁解べんかいしても。」
死後 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
先生せんせい教室きょうしつあそんでいたのでないのです。かえりにってかえろうときにきたのです。」と、小田おだが、弁解べんかいしました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「わたしは、ほかのことをかんがえていたのよ、あの三味線しゃみせんも、うたも、みみれてはいやあしなかったわ。」と弁解べんかいして、さっさとってしまいました。
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、子供こどもは、なんといって弁解べんかいをしても、かれらはききいれませんでした。そして、つづけざまにに子供こどもをなぐりつけました。これを若者わかものは、あまりのことにおもって
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、半分はんぶんは、いつわりなく、こころのうちをいって、弁解べんかいするように
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)