“一閑張”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっかんばり58.1%
いつかんばり25.8%
いっかんば12.9%
いつかんば3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とこには遊女の立姿たちすがたかきし墨絵の一幅いっぷくいつ見ても掛けかへられし事なく、その前に据ゑたる机は一閑張いっかんばりの極めて粗末なるものにて
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
蝋塗りに螺鈿らでんを散らした、見事なさやがそこに落散つて、外に男持の煙草入たばこいれが一つ、金唐革きんからかはかますに、その頃壓倒的に流行つた一閑張いつかんばりの筒。
容易ならぬ時代を思い顔な子息むすこの勝重をかたわらにすわらせて、客と一緒に大きな一閑張いっかんばりの卓をかこんだところは、それでも同じ血を分けた親子かと思われるほどだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もうキチンと座敷の中がとり片づけられて居、トランプをするために買つたと云ふ大きな一閑張いつかんばりの机が、座敷の真ン中へ、彼の花車きやしやな体をぐたりともたせかけさせるために持ち出されてゐた。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)