一閑張いっかんば)” の例文
容易ならぬ時代を思い顔な子息むすこの勝重をかたわらにすわらせて、客と一緒に大きな一閑張いっかんばりの卓をかこんだところは、それでも同じ血を分けた親子かと思われるほどだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
布団は、郷里の妹が手織りで作ったのを送って来たが、机は夜店で一閑張いっかんばりを買った。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
深山は古い笹村の一閑張いっかんばりの机などを持って、別の家へ入って行った。そこへ、この家を周旋した笹村の友達のT氏も、駒込こまごめの方の下宿から荷物を持ち込んで、共同生活をすることになった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それから一閑張いっかんばりの机が一時は流行しました。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)