トップ
>
一閑張
>
いつかんばり
ふりがな文庫
“
一閑張
(
いつかんばり
)” の例文
蝋塗りに
螺鈿
(
らでん
)
を散らした、見事な
鞘
(
さや
)
がそこに落散つて、外に男持の
煙草入
(
たばこいれ
)
が一つ、
金唐革
(
きんからかは
)
の
叺
(
かます
)
に、その頃壓倒的に流行つた
一閑張
(
いつかんばり
)
の筒。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこは青木さんの弟さんの部屋にしてあると見えて、青い
羅紗
(
らしや
)
のかゝつた
一閑張
(
いつかんばり
)
の机の上に、英語の辞書やインキ壺なぞが置いてあつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
例の朝寝、今起きた所と見えて昼飯の膳に牛乳がついて居た。
一閑張
(
いつかんばり
)
の机の上には「恋の挿話」に「聖僧の罪」ゾラの小説が二冊乗つて居た。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
グツト睨み置き
偖
(
さて
)
風呂に
入
(
い
)
りて銘々
一閑張
(
いつかんばり
)
の机を借り受け
駄洒
(
だじや
)
中止紀行に取りかゝる宿の人
此体
(
このてい
)
を見て不審がる二時間ほどにして露伴子
先
(
ま
)
づ筆を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
わたしは読み飽いた「聖ヨハネ祭の夜」の頁をたたみこんで、暗い
一閑張
(
いつかんばり
)
の下に、さて閉ぢようとして気づいた。
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
▼ もっと見る
Aさんは、「相済みません」と云つて、
玩具
(
おもちや
)
や
襁褓
(
むつき
)
を手早く片づけた後、
一閑張
(
いつかんばり
)
の上でしきりと筆を走らせはじめた。時々何か印刷した紙を参考にしてゐる様子だつた。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
彼は
剥
(
は
)
げた
一閑張
(
いつかんばり
)
の小机を、竹垣ごしに狭い通りに向いた
窓際
(
まどぎは
)
に
据
(
す
)
ゑた。その低い、
朽
(
くさ
)
つて白く
黴
(
かび
)
の生えた
窓庇
(
まどびさし
)
とすれ/\に、育ちのわるい
梧桐
(
あをぎり
)
がひよろ/\と植つてゐる。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
上つてとつつきの
襖
(
ふすま
)
をあけると、二三枚戸を立てた、うす暗い部屋のまん中に、松岡の床がとつてあつた。枕元には怪しげな
一閑張
(
いつかんばり
)
の机があつて、その上には原稿用紙が乱雑に重なり合つてゐた。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“一閑張”の解説
一閑張(いっかんばり)とは、日本の伝統工芸品である紙漆細工のこと。またはその紙漆細工を作る方法のこと。一貫張と書かれることもある。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
閑
常用漢字
中学
部首:⾨
12画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“一閑”で始まる語句
一閑
一閑斎
一閑斎殿
一閑釣瓶