“曳船”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきふね66.7%
ひきぶね33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今しも彼がたゝずんでゐる波止場の石段の下には近海通ひの曳船ひきふねが着いたところだつた。田舎風ゐなかふうの男女の客が二十人ばかり上つた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
渡船には、頭巾を冠った巡査が一人だけ乗っていて、寒さに手足をすぼめ、曳船ひきふねの掻き立てるすさまじい泡を眺めていた。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
おいせがれにこの『ヴォルガの舟唄』をかけさせて、誰が描いたか知らぬが、ヴォルガ河曳船ひきぶねの暗澹たる絵を思い出しながら、抵抗療法的な快味を貪っていたものだ。
信号旗をあげて、港の水先案内人をよび、曳船ひきぶねにひかれて、龍睡丸は港内にはいって、碇泊した。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)