“ひきふね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
曳舟40.0%
曳船40.0%
引船13.3%
引舟6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京都の高瀬川たかせがわは、五条から南は天正十五年に、二条から五条までは慶長十七年に、角倉了以すみのくらりょういが掘ったものだそうである。そこを通う舟は曳舟ひきふねである。
高瀬舟縁起 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
渡船には、頭巾を冠った巡査が一人だけ乗っていて、寒さに手足をすぼめ、曳船ひきふねの掻き立てるすさまじい泡を眺めていた。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
禿かむろのりん弥を先に立たせ、後から吉野太夫付きの引船ひきふね(しんぞの称)二人、小走りに来て、一同の前に手をつかえ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かすみにさした十二本のかんざし、松に雪輪ゆきわ刺繍ぬいとりの帯を前に結び下げて、花吹雪はなふぶきの模様ある打掛うちかけ、黒く塗ったる高下駄たかげた緋天鵞絨ひびろうど鼻緒はなおすげたるを穿いて、目のさめるばかりの太夫が、引舟ひきふねを一人、禿かむろを一人