化粧けわ)” の例文
淡く化粧けわいさえしている若い風邪の妻は、ゴミゴミした世帯やつれの古妻の病気とは違い、清艶な感じがする。
女流俳句を味読す (新字新仮名) / 杉田久女(著)
年増まじりにあくどく化粧けわったわかい女が六七人、汗まみれになって、ついそこへ、並木を来かかる。……
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またある時は名門の出の某男爵が濡衣ぬれぎぬに扮したおり、彼女は八重垣姫やえがきひめを振りあてられて真面目まじめ化粧けわい衣装をして、自ら「はじかき姫」だと言っていたことをも思いだす。
豊竹呂昇 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今日は風呂日だから、帰ってから湯へ入ったと見えて、目立たぬ程にうッすりと化粧けわっている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
泣きぬれた顔を化粧けわいなおした弥生が、提灯を低めて先に立つと、その赤い光で、左膳はじっと弥生から眼を離さなかったが、弥生は、あとから来る栄三郎に心いっぱい占められて気がつかなかった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
よく化粧けわひよくこなして日傘さし
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
白いもの化粧けわいして
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)