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險
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けわ
鎌のやうな
新月が
物凄く
下界を
照して
來たが、
勿論道の
案内となる
程明るくはない、
加ふるに
此邊は
道いよ/\
險しく、
尖つた
岩角、
蟠る
樹の
根は
無限に
行方に
横つて
居るので
私は
二人の
案内に
從つて、
鐵門を
窬つたが、はじめ十
歩ばかりの
間は
身を
屈めて
歩む
程で、
稍や
廣くなつたと
思ふと、
直ぐ
前には、
岩に
刻んで
設けられた
險しい
階段がある、
其階段を
降り
盡すと