いろんないきさつがあって、やがて閉場ると、その子供は、是非日本の写真が見たいから、ホテル迄送ってゆくということになった。
するのも可哀そうだから、もうちっと待っていると日が暮れるだろう。小屋の閉場るのを待っていて、すぐに河童をあげるようにしろ
ところが、その翌日、前夜のうち逢痴に対する令状が発行されたとみえ、閉場を待つ私服の群が、観衆の中で鋭い眼を光らせていた。
『やあ! 染之助さん、芝居の方はもう閉場ましたかい』と、云うじゃないか。私は身も世もないように失望してしまいました。