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羽根
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はね
ふりがな文庫
“
羽根
(
はね
)” の例文
さっそくふとんの
売場
(
うりば
)
のふかふかした
羽根
(
はね
)
ぶとんの山の上によこになり、めずらしくのびのびとした気分でねむりに落ちていったのだ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
張箍
(
はりわ
)
の
女袴
(
をんなばかま
)
を
穿
(
は
)
いた
官女
(
くわんぢよ
)
よ、
橡
(
とち
)
の
木
(
き
)
よ、
三葉形
(
みつばがた
)
の
縫
(
ぬひ
)
を置いて、鳥の
羽根
(
はね
)
の飾をした
上衣
(
うはぎ
)
を
曳
(
ひき
)
ずる
官女
(
くわんぢよ
)
よ、
大柄
(
おほがら
)
で
權高
(
けんだか
)
で、
無益
(
むやく
)
の
美形
(
びけい
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「あ、ごめんなさい。」と、みね
子
(
こ
)
さんは、おわびをしましたが、
義雄
(
よしお
)
さんは、
素早
(
すばや
)
く
走
(
はし
)
って、その
羽根
(
はね
)
を
力
(
ちから
)
まかせに
打
(
う
)
ち
返
(
かえ
)
しました。
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
羽根
(
はね
)
は一人一人の飛行機のように、飛ぶためのものですよ、簡単な、しかし強力な動力装置がこの羽根の下についているんです
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
にわかにくっきり白いその
羽根
(
はね
)
は前の方へ
倒
(
たお
)
れるようになり、インデアンはぴたっと立ちどまって、すばやく
弓
(
ゆみ
)
を空にひきました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
四つ角まで出ると交番の所に人が大勢立っていた。御作さんは旦那の
廻套
(
まわし
)
の
羽根
(
はね
)
を
捕
(
つら
)
まえて、伸び上がりながら、
群集
(
ぐんじゅ
)
の中を
覗
(
のぞ
)
き込んだ。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなたの頭髮と云つたらまるで
鷲
(
わし
)
の
羽根
(
はね
)
みたいですわ。爪が鳥の爪のやうになつてらつしやるかどうかはまだよく見てゐませんけれどね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
フィリップ夫婦は、
藁
(
わら
)
布団と、
羽根
(
はね
)
布団とを敷いてその上に寝るのである。毛布団というものをついぞ使ったことがない。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
しかし、その
大
(
おおき
)
さは
矢張
(
やは
)
り五
寸
(
すん
)
許
(
ばかり
)
、
蒼味
(
あおみ
)
がかった
茶
(
ちゃ
)
っぽい
唐服
(
からふく
)
を
着
(
き
)
て、そしてきれいな
羽根
(
はね
)
を
生
(
は
)
やして
居
(
い
)
るのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「あっ」という
恋人
(
こいびと
)
の
叫
(
さけ
)
び声を耳にしたと思ったつぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
、若者は自分の
体
(
からだ
)
が
羽根
(
はね
)
ぶとんのようにかるがると水の上に浮かんでいることに気がついた。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
舊
(
もと
)
の
猿樂町
(
さるがくてう
)
の
彼
(
あ
)
の
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
で
御隣
(
おとなり
)
の
小娘
(
ちいさいの
)
と
追羽根
(
おひばね
)
して、
彼
(
あ
)
の
娘
(
こ
)
の
突
(
つ
)
いた
白
(
しろ
)
い
羽根
(
はね
)
が
通
(
とほ
)
り
掛
(
かゝ
)
つた
原田
(
はらだ
)
さんの
車
(
くるま
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
おち
)
たとつて、
夫
(
そ
)
れをば
阿關
(
おせき
)
が
貰
(
もら
)
ひに
行
(
ゆ
)
きしに
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「そうですかね。だがいつまでも、それじゃすまないでしょう。その内に君の『ボオドレエル詩抄』が、
羽根
(
はね
)
の生えたように売れる時が来るかも知れない。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
コロボックル
遺跡
(
ゐせき
)
に石鏃の現存するは、
間接
(
かんせつ
)
に彼等が
笴
(
やがら
)
、弓及び絃を有せし事を
證
(
しよう
)
するものと云ふべし。矢には
羽根
(
はね
)
を付くる事有りしや
否
(
いな
)
や
考
(
かんが
)
ふるに由無し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
イギリスの
大将
(
たいしょう
)
の
軍服
(
ぐんぷく
)
をまねた金モールでへりをとった赤い上着を着、鳥の
羽根
(
はね
)
でかざったかぶとをかぶったジョリクールがその
背中
(
せなか
)
にいばって乗っていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それから二、三時間たったとき、
宿屋
(
やどや
)
の
主人
(
しゅじん
)
はようやく
羽根
(
はね
)
ぶとんからおきだして、顔をあらいました。
ならずもの
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
それは
金
(
きん
)
のような光のある、一まいの鳥の
羽根
(
はね
)
でした。ウイリイは、めずらしい羽根だからひろっていこうと思って、馬から
下
(
お
)
りようとしました。すると馬が止めて
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
長
(
なが
)
い
羽根
(
はね
)
のついた帽子、袋とか籠とかを腕にして、
齡
(
とし
)
をとつてゐたさうだが、それは、およそ私の友達が死ぬまでもしさうにもなく、想像にもさうは思はれない姿だつた。
あるとき
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
並
(
なら
)
んで
掘
(
ほ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
望生
(
ぼうせい
)
の
膝頭
(
ひざかしら
)
が
泥
(
どろ
)
に
埋
(
うま
)
つて
居
(
ゐ
)
るのを、
狹衣子
(
さごろもし
)
が
完全
(
くわんぜん
)
な
土器
(
どき
)
と
間違
(
まちが
)
へて
掘出
(
ほりだ
)
さうとすると、ピヨイと
望生
(
ぼうせい
)
が
起上
(
たちあが
)
つたので、
土器
(
どき
)
に
羽根
(
はね
)
が
生
(
は
)
えたかと
驚
(
おどろ
)
いたのも
其頃
(
そのごろ
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
洋画家の
満谷
(
みつたに
)
国四郎氏はこの
頃
(
ごろ
)
謡曲に夢中になつて、
画室
(
アトリエ
)
で裸体画の
素描
(
デツサン
)
を
行
(
や
)
る時にも、「今はさながら
天人
(
てんにん
)
も
羽根
(
はね
)
なき鳥の如くにて……」と
低声
(
こごゑ
)
で
謡
(
うた
)
ひ出すのが癖になつてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
おそらく交通機関としたら、これほど便利なものはあるまい。すなわち
羽根
(
はね
)
が交通機関の理想のごとくなっていたから日本でも西洋でも自由自在に動くものの
意匠
(
いしょう
)
には羽根をつけている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「あんなようすをしているとは、おもいもよらなかったよ。なんてつまらない鳥なんだ。われわれ
高貴
(
こうき
)
のものが、おおぜいそばにきたのにおじて、
羽根
(
はね
)
のいろもなくしてしまったにちがいない。」
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
己が奇怪な幻を見たり、不思議な妄想に悩まされたりするのは、ちょうど桜の枝に
麗
(
うるわ
)
しい花が咲いたり
孔雀
(
くじゃく
)
の体に
絢爛
(
けんらん
)
な
羽根
(
はね
)
が生えたりするのと同じく、自然の意志の純真なる発現ではあるまいか。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そればかりではなく、
冠
(
かんむり
)
の
眞中
(
まんなか
)
からは
鳥
(
とり
)
の
羽根
(
はね
)
に
似
(
に
)
た
長
(
なが
)
い
金
(
きん
)
の
飾
(
かざ
)
りが
後
(
うしろ
)
の
方
(
ほう
)
に
立
(
た
)
ち、また
冠
(
かんむり
)
の
兩側
(
りようがは
)
からも
金
(
きん
)
の
飾
(
かざ
)
りがぶら
下
(
さが
)
つて、その
端
(
はし
)
に
勾玉
(
まがたま
)
がついてゐるといふ、すばらしい
立派
(
りつぱ
)
な
金
(
きん
)
の
冠
(
かんむり
)
なのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
運転手
(
うんてんしゅ
)
も
車
(
くるま
)
から
下
(
お
)
りて、
荷物
(
にもつ
)
を
下
(
お
)
ろすてつだいをしました。このとき、
白
(
しろ
)
と
赤
(
あか
)
のまじった
羽根
(
はね
)
が、
荷
(
に
)
の
間
(
あいだ
)
から
出
(
で
)
てきました。
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
隅
(
すみ
)
に文鳥の体が薄白く浮いたまま
留
(
とま
)
り
木
(
ぎ
)
の上に、有るか無きかに思われた。自分は
外套
(
がいとう
)
の
羽根
(
はね
)
を返して、すぐ鳥籠を箱のなかへ入れてやった。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
莧
(
ひゆ
)
の花、男なんぞは物ともしない女の帽子の
羽根
(
はね
)
、口元も腰元も
溶
(
と
)
けるやうだ、おまへの蜜の湖に若い男が溺れ死ぬ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
しかし
羽根
(
はね
)
の寝床では暑すぎるのだ。それに、羽根は、おじさんの
年取
(
としと
)
ったからだには柔らかく当りもしようが、にんじんは汗びっしょりになってしまう。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
羽根
(
はね
)
の音がぶんぶん、くちばしから、かぼちゃの汁をすう音がぴちゃぴちゃと、伴奏のように聞えるなかに、蠅たちは、しきりにおしゃべりをしている。——
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
は七八
寸
(
すん
)
、
肩
(
かた
)
には
例
(
れい
)
の
透明
(
とうめい
)
な
羽根
(
はね
)
をはやして
居
(
お
)
りましたが、しかしよくよく
見
(
み
)
れば
顔
(
かお
)
は七十
余
(
あま
)
りの
老人
(
ろうじん
)
の
顔
(
かお
)
で、そして
手
(
て
)
に一
条
(
じょう
)
の
杖
(
つえ
)
をついて
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それと、油の這入つた瓶と
羽根
(
はね
)
も見つけて、鍵と錠前に油を引いた。私は水を少しとパンを
少量
(
すこし
)
とつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
新世界交響楽
(
しんせかいこうきょうがく
)
はいよいよはっきり
地平線
(
ちへいせん
)
のはてから
湧
(
わ
)
き、そのまっ黒な
野原
(
のはら
)
のなかを一人のインデアンが白い鳥の
羽根
(
はね
)
を頭につけ、たくさんの石を
腕
(
うで
)
と
胸
(
むね
)
にかざり
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あわててしまったぼくは
羽根
(
はね
)
ぶとんの山をすべりおりて、どこから逃げたらいいかと、あたりを見まわしたとたん、羽根ぶとんの山が音をたててくずれおちたんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
寝床
(
ねどこ
)
もいつも力いっぱいふるいましたから、
羽根
(
はね
)
が雪のひらのように、あたりにとびちりました。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
親方はそのときまず見物のさわぐのをとどめて、さて毛皮のぼうしをぬぎ、そのかざりの
羽根
(
はね
)
が地面の
砂
(
すな
)
と、すれすれになるほど、三度まで大げさなおじぎを
巡査
(
じゅんさ
)
に向かってした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
さればお
店
(
みせ
)
の
旦那
(
だんな
)
とても
父
(
とゝ
)
さん
母
(
かゝ
)
さん
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
をも
粗略
(
そりやく
)
には
遊
(
あそ
)
ばさず、
常々
(
つね/\
)
大切
(
たいせつ
)
がりて
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
にお
据
(
す
)
へなされし
瀬戸物
(
せともの
)
の
大黒樣
(
たいこくさま
)
をば、
我
(
わ
)
れいつぞや
坐敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
にて
羽根
(
はね
)
つくとて
騷
(
さわ
)
ぎし
時
(
とき
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
蜻蛉
(
とんぼ
)
が木の枝にとまつて
居
(
ゐ
)
るのを見る。
羽根
(
はね
)
が
四
(
よ
)
枚
平
(
たひら
)
に並んでゐない。前の二枚が三十度位あがつてゐる。風が吹いて来たら、その羽根で調子を取つてゐた。木の枝は動けども、蜻蛉は去らず。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
羽根
(
はね
)
は、ちょうど
都
(
みやこ
)
の
空
(
そら
)
で、
義雄
(
よしお
)
さんと、みね
子
(
こ
)
さんに
突
(
つ
)
かれて、ひらひらと
空
(
そら
)
に
翻
(
ひるがえ
)
って
落
(
お
)
ちたときのようなかっこうで
地面
(
じめん
)
へ
落
(
お
)
ちたのでした。
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまえはね、
(1)
わたしの
寝床
(
ねどこ
)
をきちんとして、それをよくふるって、
羽根
(
はね
)
がとぶようによく気をつけてくれればいいんだよ。そうすれば、人間の
世界
(
せかい
)
に雪がふるのさ。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
お
爺
(
じい
)
さま、
彼所
(
あそこ
)
に
見
(
み
)
ゆる十五、六
歳
(
さい
)
位
(
くらい
)
の
少女
(
しょうじょ
)
は
何
(
なんと
)
と
品位
(
ひん
)
の
良
(
よ
)
い
様子
(
ようす
)
をして
居
(
い
)
ることでございましょう。
衣裳
(
いしょう
)
も
白
(
しろ
)
、
羽根
(
はね
)
も
白
(
しろ
)
、そして
白
(
しろ
)
い
紐
(
ひも
)
で
額
(
ひたい
)
に
鉢巻
(
はちまき
)
をして
居
(
お
)
ります……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
店頭には
賑
(
にぎや
)
かに
凧
(
たこ
)
や
羽根
(
はね
)
がぶら下り、セルロイドのラッパだの、サーベルだの、紙で
拵
(
こしら
)
えた
鉄兜
(
てつかぶと
)
だの、それからそれへと、さまざまなものが所も狭く、天井から下っていた。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
高い
腰掛
(
こしかけ
)
に坐つて、ヂョウジアァナは鏡に向つて、髮を
結
(
い
)
つてゐた。屋根裏の抽斗の中で彼女が前にさがしておいた
造花
(
ざうくわ
)
と色の
褪
(
あ
)
せた
羽根
(
はね
)
を捲き毛に編み込まうといふのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
苧環
(
をだまき
)
、
成人
(
おとな
)
びてゐないのが
身上
(
しんじやう
)
の女學生、短い袴、
纖
(
ほそ
)
い
脚
(
あし
)
、燕の
羽根
(
はね
)
のやうに動く
腕
(
うで
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
長い
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をふっさりと
肩
(
かた
)
まで
垂
(
た
)
らして、緑と赤の
羽根
(
はね
)
でかざったねずみ色の高いフェルト
帽
(
ぼう
)
をかぶっていた。ひつじの毛皮の毛のほうを中に返して、すっかりからだに着こんでいた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
同時に何か黒いものが一つ畠の隅へころげ落ちた。Kさんはそちらを見る
拍子
(
ひやうし
)
に「又
庭鳥
(
にはとり
)
がやられたな」と思つた。それは実際黒い
羽根
(
はね
)
に青い
光沢
(
くわうたく
)
を持つてゐるミノルカ
種
(
しゆ
)
の庭鳥にそつくりだつた。
素描三題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は
坂井
(
さかゐ
)
を
辭
(
じ
)
して、
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
る
途中
(
とちゆう
)
にも、
折々
(
をり/\
)
インヷネスの
羽根
(
はね
)
の
下
(
した
)
に
抱
(
かゝ
)
へて
來
(
き
)
た
銘仙
(
めいせん
)
の
包
(
つゝみ
)
を
持
(
も
)
ち
易
(
か
)
へながら、それを三
圓
(
ゑん
)
といふ
安
(
やす
)
い
價
(
ね
)
で
賣
(
う
)
つた
男
(
をとこ
)
の、
粗末
(
そまつ
)
な
布子
(
ぬのこ
)
の
縞
(
しま
)
と、
赤
(
あか
)
くてばさ/\した
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
と
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
まだ、お
正月
(
しょうがつ
)
なので、
子供
(
こども
)
たちは、ここへきて、たこを
上
(
あ
)
げたり、
羽根
(
はね
)
をついたりして
遊
(
あそ
)
んでいました。
雪の降った日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ホレおばあさんの
寝床
(
ねどこ
)
をきちんとなおすことは、この女の子の
役
(
やく
)
めになっていたのですが、それもしませんでしたし、
羽根
(
はね
)
がまいあがるほど、その寝床をふるいもしませんでした。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
羽根
(
はね
)
の
生
(
は
)
えた人間でもがあって、物好きにもこの窓のところまで飛んでいったとしたら、そしてその光る
硝子
(
ガラス
)
窓のなかをソッと
覗
(
のぞ
)
いてみたとしたら、そこに一人の少年が
寝床
(
ねどこ
)
に
横
(
よこた
)
わったまま
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのとき、ふと見ますと、そばの小川の岸にカモたちがのんびりならんで、やすんでいました。カモたちは、くちばしで
羽根
(
はね
)
をきれいにそろえながら、うちとけた話をしていました。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
三人の若者が、かわるがわるに声をあげて、ほし芋とふかし芋を売りはじめると、通行人たちはたちまち寄って来て、芋店の前は人だかりがつづき、品物は
羽根
(
はね
)
が生えたように売れていった。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
“羽根”で始まる語句
羽根蒲団
羽根布団
羽根箒
羽根飾
羽根毛
羽根田
羽根蟻
羽根帚
羽根沢
羽根肉