“苧環”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おだまき53.8%
をだまき46.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いにしえのしず苧環おだまきり返して、さすがに今更今昔こんじゃくの感にえざるもののごとくれと我が額に手を加えたが、すぐにその手を伸して更に一盃を傾けた。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
といいますと、藤井さんを始め皆さんが苧環おだまきの糸を繰返して何遍か同じような事をいって勧められた。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
銀の如き髮の解けたるが、片頬にちかゝりて、褐色なる頸のめぐりに垂るゝを見る。その墨の如き瞳は、とこしへに苧環をだまきの上に凝注せり。
その歩々ほほおとせし血は苧環をだまきの糸を曳きたるやうに長くつらなりて、畳より縁に、縁より庭に、庭より外に何処いづこまで、彼は重傷いたでを負ひて行くならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)