苧環おだまき)” の例文
いにしえのしず苧環おだまきり返して、さすがに今更今昔こんじゃくの感にえざるもののごとくれと我が額に手を加えたが、すぐにその手を伸して更に一盃を傾けた。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
といいますと、藤井さんを始め皆さんが苧環おだまきの糸を繰返して何遍か同じような事をいって勧められた。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
凄まじい風が座に起って、武蔵のひじが描く二挺の鉄砲の渦は、さながら苧環おだまきめぐるように見えた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私ばかりでない、まだ同一おんなじ心の者が、方々に隠れている、その苧環おだまきの糸を引張ってさ、縁のあるものへ結びつけて、人間の手で網を張ろうというつもりでね、こうやって方々歩いている。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
庭にはもう苧環おだまきが葉をしげらせ、夏雪草が日にけそうな淡紅色の花をつけていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
苧環おだまきの繰るにまかせて
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
金之助は話の糸の、乱れた苧環おだまき巻きかえし
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
苧環おだまきの繰るにまかせて
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
苧環おだまき
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)