“母鶏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ははどり66.7%
おやどり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
えさを拾う雄鶏おんどりの役目と、羽翅はねをひろげてひなを隠す母鶏ははどりの役目とを兼ねなければならなかったような私であったから。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それは去年の秋の頃、綿のような黄金色こがねいろなす羽に包まれ、ピヨピヨ鳴いていたのをば、私は毎日学校の行帰ゆきかえり、を投げをやりして可愛がったが、今では立派にふとった母鶏ははどりになったのを。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
中川「産むとも、ヒョコヒョコ産むよ。その代り母鶏おやどりに抱かせても孵化かえらない。試みに雌鶏ばかり飼っておいてみ給え、雄鶏がいなくとも玉子を産むよ」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
奥さんは聞かなくても可いことをって聞いたという顔付で、やや皮肉に笑って、復た子供と一緒に鶏の方を見た。淡黄な色のひなは幾羽となく母鶏おやどり羽翅はがいに隠れた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)