母鶏おやどり)” の例文
中川「産むとも、ヒョコヒョコ産むよ。その代り母鶏おやどりに抱かせても孵化かえらない。試みに雌鶏ばかり飼っておいてみ給え、雄鶏がいなくとも玉子を産むよ」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
奥さんは聞かなくても可いことをって聞いたという顔付で、やや皮肉に笑って、復た子供と一緒に鶏の方を見た。淡黄な色のひなは幾羽となく母鶏おやどり羽翅はがいに隠れた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
玉子の雌雄を知る事が出来たら母鶏おやどりに抱かせたり孵卵器ふらんきれたりする時非常の利益だけれども今の知識ではまだその鑑別法が発見してない。亜米利加あめりかでは大金を懸賞してその鑑別法をつのっている。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)