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翼
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はね
ふりがな文庫
“
翼
(
はね
)” の例文
(
翼
(
はね
)
の生えたうつくしい姉さんは居ないの。)ッて聞いた時、
莞爾
(
にっこり
)
笑って両方から左右の手でおうように私の
天窓
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でて行った
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
その
)
車
(
くるま
)
の
輻
(
や
)
は
手長蜘蛛
(
てながぐも
)
の
脛
(
すね
)
、
天蓋
(
てんがい
)
は
蝗蟲
(
いなご
)
の
翼
(
はね
)
、
※
(
むながい
)
は
姫蜘蛛
(
ひめぐも
)
の
絲
(
いと
)
、
頸輪
(
くびわ
)
は
水
(
みづ
)
のやうな
月
(
つき
)
の
光線
(
ひかり
)
、
鞭
(
むち
)
は
蟋蟀
(
こほろぎ
)
の
骨
(
ほね
)
、
其
(
その
)
革紐
(
かはひも
)
は
豆
(
まめ
)
の
薄膜
(
うすかは
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
次に、ニンフ達は、踵に一対の可愛い小さな
翼
(
はね
)
のついた短靴みたいな、スリッパみたな、
草鞋
(
サンダル
)
みたいな物を取り出しました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
小賢
(
こざか
)
しい
鴉
(
からす
)
はそれをよく
知
(
し
)
つてゐました。それだから、その
頭
(
あたま
)
や
肩
(
かた
)
の
上
(
うへ
)
で、ちよつと
翼
(
はね
)
を
休
(
やす
)
めたり。
或
(
あるひ
)
は一
夜
(
よ
)
の
宿
(
やど
)
をたのまうとでもすると、まづ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
彼らは、ぴったり寄り添って、それこそ
翼
(
はね
)
を組んでという格好で舞い上がった。で、一方を殺した
弾丸
(
たま
)
は、そのままもう一方を突き落したのである。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
この風車はこの辺一帯の低地の目標ともなっているものでした。ずっとずっと昔、この風車は
翼
(
はね
)
も何もかもすっかり
真紅
(
まっか
)
に塗られたこともありました。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
此海や
涯
(
はて
)
し知られね、この荒れや測り知られね、
初夜
(
しよや
)
過ぎて、また
後夜
(
ごや
)
かけて、闇ふかく
翼
(
はね
)
ふる千鳥、この雨を、また稲妻を、ひた濡れて乱るる千鳥。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大きな声を張りあげてときをつくり、
剰
(
あまつ
)
さえ
古蓆
(
ふるむしろ
)
のように引き
挘
(
むし
)
られた
翼
(
はね
)
でバタバタと
羽搏
(
はばた
)
きをやらかしていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
山茶花
(
さざんか
)
の咲く冬のはじめごろなど、その室の炭の
匂
(
にお
)
いが漂って、淡い日が
蘭
(
らん
)
の鉢植にさして、白い障子に
翼
(
はね
)
の弱い
蚊
(
あぶ
)
がブンブンいっているのを聞きながら
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「これだけゐるんだからね、君、一羽位ひつかまへられさうなものぢやないか、どうしても駄目だよ、アハヤ! といふところでね、
翼
(
はね
)
にも触れないぜ——」
籔のほとり
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「古き
壺
(
つぼ
)
には古き酒があるはず、
味
(
あじわ
)
いたまえ」と男も
鵞鳥
(
がちょう
)
の
翼
(
はね
)
を
畳
(
たた
)
んで
紫檀
(
したん
)
の
柄
(
え
)
をつけたる
羽団扇
(
はうちわ
)
で膝のあたりを払う。「古き世に酔えるものなら
嬉
(
うれ
)
しかろ」
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わざと手入れをしない雑草と雑木のあいだを、
羽虫
(
はむし
)
がむれをなして飛んでいるのが、その百千の
翼
(
はね
)
が白く光って、日光のなかで
塵
(
ちり
)
が舞っているように見える。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
淡紅色
(
ときいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
亂心地
(
みだれごゝち
)
の
少女
(
をとめ
)
にみたてる
淡紅色
(
ときいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
綿紗
(
モスリン
)
の
袍
(
うはぎ
)
とも、
天
(
あめ
)
の使ともみえる
拵
(
こしら
)
へもののその
翼
(
はね
)
を廣げてごらん、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
翼
(
はね
)
のゆがんだ
木兎
(
みみづく
)
は牛に踏ませてやりませうか、馬に踏ませてやりませうか、うしろの沼へ捨てませうか
都会と田園
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「
私
(
わたし
)
は、
山
(
やま
)
の
方
(
ほう
)
から
駆
(
か
)
けてきた。どうか、すこし、
翼
(
はね
)
を
休
(
やす
)
めさしておくれ。」と、たかはいいました。
ぴかぴかする夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
難波の地に旅して、そこの葦原に飛びわたる鴨の
翼
(
はね
)
に、霜降るほどの寒い夜には、大和の家郷がおもい出されてならない。鴨でも共寝をするのにという意も含まれている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
何やらこう
尻尾
(
しっぽ
)
も
翼
(
はね
)
も失せたような生活、何やらこう
痴
(
たわ
)
けきった
代物
(
しろもの
)
だが、さりとて出て行きも逃げ出しもできないところは、
癲狂院
(
てんきょういん
)
か監獄へぶち込まれたのにそっくりだ!
犬を連れた奥さん
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一人々々
翼
(
はね
)
を生やした小さな人たちが、山奥に集ってならしているんじゃないのかしら?
樹氷
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
鴞
(
ふくろう
)
に
翼
(
はね
)
が生えて、
母鳥
(
おやどり
)
の
睛
(
ひとみ
)
をつッつくのとおんなじようなことをしようというのですか
青蛙神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
路地は人ひとりやっと通れるほど狭いのに、大きな
芥箱
(
ごみばこ
)
が並んでいて、寒中でも
青蠅
(
あおばえ
)
が
翼
(
はね
)
を
鳴
(
なら
)
し、昼中でも
鼬
(
いたち
)
のような
老鼠
(
ろうねずみ
)
が出没して、人が来ると長い尾の先で
水溜
(
みずたまり
)
の水をはね
飛
(
とば
)
す。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
噴泉
(
ふきあげ
)
からさらさらと黄金が流るる。真昼のやうに日が照るわ。はれ、見られい、見られい。
翼
(
はね
)
の生えた可愛い
稚子
(
ちご
)
が舞ひながらおぢやつたわ。はれ、皆が一斉に祈を上げておぢやるわ。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
燭台の燈火が鳥の
翼
(
はね
)
にでも、あおられたかのようにヒラヒラと、焔を一方へ
傾
(
かし
)
がせたが、これは老儒者が気概の充ちたままに、左右の腕を高く上げて、それを振り下ろして見台の縁を
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私は早く、水の方へ飛んで行って、青い小鳥に詫びなければならない。そして仲よくしなければならない、と思いました。すると、私の
翼
(
はね
)
が急に水の方に向って、矢の様に走り出しました。
トシオの見たもの
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
妙なことには、何の為か両手を
翼
(
はね
)
の様に伸ばして、ゆらゆらと動かしている。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、わが『富士』は、鋼鉄の
翼
(
はね
)
をひろげて、かれらの行手をさえぎった。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
我越後の
雪蛆
(
せつじよ
)
はちひさき事
蚊
(
か
)
の
如
(
ごと
)
し。此虫は二
種
(
しゆ
)
あり、一ツは
翼
(
はね
)
ありて
飛行
(
とびあるき
)
、一ツははねあれども
蔵
(
おさめ
)
て
蚑行
(
はひありく
)
。共に足六ツあり、色は
蠅
(
はへ
)
に
似
(
に
)
て
淡
(
うす
)
く(一は黒し)其
居
(
を
)
る所は
市中原野
(
しちゆうげんや
)
蚊
(
か
)
におなじ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
不安の影が、黒い
翼
(
はね
)
をぐんぐんひろげて、私の体を包んでしまおうとする。このまま私は、深海に死んでいくのではないかと、心ぼそさが、こみあげてきた。私は思わずも、ハンドルを握りしめた。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ある時はヘルデルリンと
翼
(
はね
)
竝べギリシャの空を天翔りけり
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
白い あつぼつたい 紙のやうな
翼
(
はね
)
をふるはしてゐる。
蝶を夢む
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
頸
(
くび
)
は
脱
(
のが
)
れつべし、地、その
翼
(
はね
)
を
放
(
はな
)
たじ。
白鳥
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
滅びもはてぬ死の
翼
(
はね
)
羽
(
は
)
搏
(
う
)
つ
疾風
(
あらし
)
。
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
重げに見ゆる
四
(
よつ
)
の
翼
(
はね
)
。
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ま白き
翼
(
はね
)
は
搖
(
うご
)
かさで
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
春風に
翼
(
はね
)
を
搏
(
う
)
たせ
間島パルチザンの歌
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
(
翼
(
はね
)
の
生
(
は
)
へたうつくしい
姉
(
ねえ
)
さんは
居
(
ゐ
)
ないの)ツて
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
、
莞爾
(
につこり
)
笑
(
わら
)
つて
両方
(
りやうはう
)
から
左右
(
さいう
)
の
手
(
て
)
でおうやうに
私
(
わたし
)
の
天窓
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でゝ
行
(
い
)
つた
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小舎
(
こや
)
に
歸
(
かへ
)
つてからもなほ、
大聲
(
おほごゑ
)
で
泣
(
な
)
きながら「おつかあ、おいらは
何
(
なん
)
で、あの
雁
(
がん
)
のやうに
飛
(
と
)
べねえだ。おいらにもあんないい
翼
(
はね
)
をつけてくんろよ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
マーキュ はて、
足下
(
おぬし
)
は
戀人
(
こひびと
)
ではないか? すればキューピッドの
翼
(
はね
)
でも
借
(
か
)
りて、
鴉
(
からす
)
や
鳶
(
とび
)
のやうに
翔
(
かけ
)
ったがよからう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
なんだ、もう夜が明けたのか! で、早速、彼はまた動き回り始め、跳ねたり、葉っぱを突っつき回したりしながら、
尻尾
(
しっぽ
)
を扇型に拡げ、
翼
(
はね
)
を伸ばす。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
この海や
涯
(
はて
)
し知られね、この荒れやはかり知られね、初夜過ぎて、また後夜かけて、闇ふかく
翼
(
はね
)
ふる千鳥、この雨を、また稲妻を、ひた濡れてかがやく千鳥。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
健ちやんの手に拾ひあげられた雀は、力なく
翼
(
はね
)
を働かせてゐたが、間もなくジツとしてしまつた。
周一と空気銃とハーモニカ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
クイックシルヴァがこう言うと、彼の帽子が
翼
(
はね
)
をひろげましたので、彼の首が肩から抜け出して飛んで行くかと思いのほか、彼のからだ全体が
軽々
(
かるがる
)
と空中に持上りました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「
埼玉
(
さきたま
)
の小埼の沼に鴨ぞ
翼
(
はね
)
きる己が尾に
零
(
ふ
)
り置ける霜を払ふとならし」(巻九・一七四四)、「天飛ぶや雁の
翅
(
つばさ
)
の
覆羽
(
おほひは
)
の
何処
(
いづく
)
もりてか霜の降りけむ」(巻十・二二三八)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
前肢なり後肢なりの片方の肢で他の肢をこすったり、その肢で自分の
翼
(
はね
)
の下を掻いたり、二本とも前肢を伸ばして自分の頭をこすったりして、ここでくるりと向きを変えると
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
なんとかして栄三郎様へしらせてあげたいとは思うが——
翼
(
はね
)
をとられた小鳥同様の身。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それは
翼
(
はね
)
を包んで、頭を穴から出して逃げないように紙の
衣
(
きもの
)
を着せた小鳥であった。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
烏のついでに
蝙蝠
(
こうもり
)
の話が出た。安倍君が蝙蝠は
懐疑
(
スケプチック
)
な鳥だと云うから、なぜと反問したら、でも薄暗がりにはたはた飛んでいるからと
謎
(
なぞ
)
のような答をした。余は蝙蝠の
翼
(
はね
)
が
好
(
すき
)
だと云った。
ケーベル先生
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
じじむさい
襟巻
(
えりまき
)
した金貸らしい
爺
(
おやじ
)
が不満らしく横目に
睨
(
にら
)
みかえしたが、
真白
(
まっしろ
)
な女の襟元に、文句はいえず、押し敷かれた古臭い
二重廻
(
にじゅうまわ
)
しの
翼
(
はね
)
を、だいじそうに引取りながら、順送りに席を
居
(
い
)
ざった。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
着てゐる人の感情が、しつくりと着物とついてゐると、それが若い女ばかりではなく、
老婆
(
おばあさん
)
はおばあさんなりに着物も生きてゐる。きものも鳥の
翼
(
はね
)
とおなじやうで、さうなると、ちつとも堅くはない。
夏の女
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
年老いし大赤鸚鵡
翼
(
はね
)
さきの瑠璃色なるが伊達者めきたり
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
白い あつぼつたい 紙のやうな
翼
(
はね
)
をふるはしてゐる
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
“翼”の意味
《名詞》
(つばさ)鳥や航空機などの飛翔体が備え、空気中での飛行のために使用される構造。
(出典:Wiktionary)
“翼”の解説
翼(つばさ)は、鳥や航空機などの飛翔体が備え、空気中での飛行のために使用される構造。さらに広義の用法もある。文脈によっては「ヨク」とも読む。
(出典:Wikipedia)
翼
常用漢字
中学
部首:⽻
17画
“翼”を含む語句
羽翼
翼下
比翼塚
鼻翼
片翼
趙翼
双翼
左翼
翼裾
諸翼
左翼戦線
翼屋
皷翼
鶴翼
比翼
扶翼
鵬翼
右翼
銀翼
機翼
...