“機翼”の読み方と例文
読み方割合
きよく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愛宕山あたごやまの上では、暗黒の中に、高射砲が鳴りつづいていた。照空灯が、水色の暈光うんこうをサッと上空にげると、そこには、必ず敵機の機翼きよくが光っていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
横須賀航空隊のN大尉とS中尉は、それぞれ陸上偵察機を操縦してA飛行場に向けて長距離飛行を行い、目的地に到著とうちゃくして機翼きよくをやすめるひまもなく、直ちに帰還の途についた。
空中に消えた兵曹 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
西にかたむいた太陽は、密雲みつうんの蔭にスッカリ隠れてしまったり、そうかと思うと急にその切れ目から顔を現わして、真赤な光線を、機翼きよくに叩きつけるのだった。丁度、そのときだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)