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飛沫
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とばしり
ふりがな文庫
“
飛沫
(
とばしり
)” の例文
奥さんの小言の
飛沫
(
とばしり
)
は
年長
(
うえ
)
のお嬢さんにまで飛んで行った。お嬢さんは
初々
(
ういうい
)
しい頬を
紅
(
あから
)
めて、客や父親のところへ茶を運んで来た。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
だんだん山間の溪流に沿うて降って行きますと、
奔流
(
ほんりゅう
)
の岩に激して流るるその
飛沫
(
とばしり
)
が足もとに打付けるという実に愉快なる光景であります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
吾等
(
われら
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
立上
(
たちあが
)
る、
途端
(
とたん
)
もあらせず!
響
(
ひゞき
)
は
忽
(
たちま
)
ち
海上
(
かいじやう
)
に
當
(
あた
)
つて、
天軸
(
てんじく
)
一時
(
いちじ
)
に
碎
(
くだ
)
け
飛
(
と
)
ぶが
如
(
ごと
)
く、
一陣
(
いちぢん
)
の
潮風
(
ていふう
)
は
波
(
なみ
)
の
飛沫
(
とばしり
)
と
共
(
とも
)
に、サツと
室内
(
しつない
)
に
吹付
(
ふきつ
)
けた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
四、五人の女給は一度に声を揚げて椅子から飛び
退
(
の
)
き、長い
袂
(
たもと
)
をかかえるばかりか、テーブルから
床
(
ゆか
)
に
滴
(
したた
)
る
飛沫
(
とばしり
)
をよける用心にと
裾
(
すそ
)
まで
摘
(
つま
)
み上げるものもある。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
興に乗じた
気焔
(
きえん
)
の
飛沫
(
とばしり
)
で
豪
(
えら
)
そうな事をいっても、根が細心周密な神経質の二葉亭には勝手に原文を抜かしたり変えたりするような不誠実な
所為
(
まね
)
は決して出来ないので
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
「お蔭で傷は浅いです。可哀さうに、あれは大層親思ひですから、あんな
飛沫
(
とばしり
)
を喰ふのです。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「
俺
(
わし
)
も詰まらない。馬鹿々々しい競争の
飛沫
(
とばしり
)
を浴びて、不機嫌な顔をされるんだから」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
万の流れになり、
飛沫
(
とばしり
)
を
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
万の流になり、
飛沫
(
とばしり
)
を
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「お
蔭
(
かげ
)
で傷は浅いです。
可哀
(
かわい
)
そうに、あれは大層親思いですから、あんな
飛沫
(
とばしり
)
を喰うのです。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
この兄は、充実した
身体
(
からだ
)
の置場所に困るという風で、思わず言葉に力を入れた。その
飛沫
(
とばしり
)
が正太にまで及んで行った。
兜町
(
かぶとちょう
)
で
儲
(
もう
)
けようなどとは、生意気な、という語気で話した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もう一つは佐伯君が受けた
飛沫
(
とばしり
)
だった。或日、谷君が教室で赤羽君と出会い
頭
(
がしら
)
に
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
こういう気象の先生だから、演説でもする場合には、ややもするとその
飛沫
(
とばしり
)
が医者仲間なぞにまで飛んで行く。細心な理学士は又それを心配して私のところへ相談に来るという風だ。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“飛沫”の意味
《名詞》
飛沫(ひまつ)
飛び散る水や泡。しぶき。
(出典:Wiktionary)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
沫
漢検準1級
部首:⽔
8画
“飛”で始まる語句
飛
飛騨
飛鳥
飛出
飛白
飛込
飛退
飛翔
飛行
飛脚