“月魄”の読み方と例文
読み方割合
つきしろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
早川の対岸に、空をくぎつて聳えてゐる、連山の輪廓を、ほの/″\とした月魄つきしろが、くつきりと浮き立たせてゐるのであつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
月魄つきしろ」といふ関西の酒造家の出してゐるカフヱの入口へ来た時、晴代は今更らさうした慣れない職業戦線に立つことに、ちよつと気怯きおくれがした。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
時に、有明ありあけのそらける夜鳥の声か。あるいは山家の牧童でも歌っていたのか、ふと古調ゆかしい一篇のうた月魄つきしろのどこからともなく聞えていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)