“気怯”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣怯
読み方割合
きおく89.3%
きおくれ7.1%
きお3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
翌朝よくあさは女が膳を運んで来たが、いざとなると何となく気怯きおくれがして、今はいそがしそうだから、昼の手隙てすきの時にしよう、という気になる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
両箇ふたりは彼の見る目の顕露あらはなるに気怯きおくれせる様子にて、先を争ふ如く足早に過行きぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人たちは、いずれも両脚を張ってはいるが、ともすると泡立つ海、波濤の轟き、風の喊声かんせい気怯きおじがしてきて、いつかはこの蒼暗たる海景画が、生気をすすりとってしまうのではないかと思われた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)