“きお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キオ
語句割合
31.5%
気負25.9%
気競18.5%
気勢7.4%
5.6%
気兢3.7%
気怯1.9%
気落1.9%
氣負1.9%
競勢1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山口は好人物の坊主のような円顔を急にてかてかきおい込ませると廊下へ出た。彼はそこで、お杉をひと目と、急がしそうに湯女ゆな部屋を覗いてみた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
が、若殿様の方は、気負きおつて駆けてお出でになつた所でございますから、むづかしい御顔をなすつて、二三度御み足を御踏鳴おふみならしになりながら
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おおい気競きおう処もあって——(いわしさばあじなどの幾千ともなく水底みずそこを網にひるがえるありさま、夕陽ゆうひに紫の波を飜して、銀の大坩炉おおるつぼに溶くるに異ならず。)
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とちと気勢きおって、ヤケ気味に床の間へ投出すと、カチリという。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何かよほどきおい込んでいるらしい口吻くちぶりであった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
海野は今この反問に張合を得たりけむ、肩をゆすりて気兢きおひ懸れり。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
人たちは、いずれも両脚を張ってはいるが、ともすると泡立つ海、波濤の轟き、風の喊声かんせい気怯きおじがしてきて、いつかはこの蒼暗たる海景画が、生気をすすりとってしまうのではないかと思われた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
仮に平井山の一部に、重治の遺骸を厚くほうむって、何やら、喪旗もきにふく秋風もさびしく、気落きおちのあとの疲れも出て、陣中ともすれば寂寥せきりょうにとらわれやすい真昼だった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、若殿樣の方は、氣負きおつて驅けてお出でになつた所でございますから、むづかしい御顏をなすつて、二三度御み足を御踏鳴おふみならしになりながら
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
笑いの虫は蕃椒とうがらしを食ったように、赤くなるまでかっ競勢きおって
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)