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勢
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きお
ふりがな文庫
“
勢
(
きお
)” の例文
鬼王丸が狼狽しながらこう大声に叫ぶと同時に、今まで
勢
(
きお
)
っていた部下の兵どもは一度に颯と退いた。バラバラと廻廊へなだれ出る。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
山口は好人物の坊主のような円顔を急にてかてか
勢
(
きお
)
い込ませると廊下へ出た。彼はそこで、お杉をひと目と、急がしそうに
湯女
(
ゆな
)
部屋を覗いてみた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
三、四人が答えて、すぐ道場の横から草履を
穿
(
は
)
き、庭づたいに、書院の縁へ走ろうとするのを、祇園藤次や植田などの古参が、その
勢
(
きお
)
い込む
袂
(
たもと
)
をつかまえて
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王者の富、快楽と安逸と自由の保証、なんたる幸運の
昂奮
(
こうふん
)
であるか、彼らはわくわく
勢
(
きお
)
い立った
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女人を
誘拐
(
かどわか
)
す卑怯未練の賊僧はそれよ。容赦なく踏み込んで召捕れやつと大喝すれば、声を合せて配下の同心、雪を蹴立てゝ
勢
(
きお
)
ひかゝる。一方は
峨々
(
がが
)
たる絶壁半天に
懸
(
かか
)
れり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
それを聞くと八五郎、すっかり
勢
(
きお
)
い込んで、猟犬のように駆け出しそうな気組になります。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
勢
(
きお
)
い
込
(
こ
)
んで
駕籠
(
かご
)
で
乗
(
の
)
り
着
(
つ
)
けた
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
は、きのうと
同
(
おな
)
じように、
藤吉
(
とうきち
)
に
案内
(
あんない
)
されたが、
直
(
す
)
ぐ
様
(
さま
)
通
(
とお
)
してもらえるはずの
画室
(
がしつ
)
へは、
何
(
なに
)
やら
訳
(
わけ
)
があって
入
(
はい
)
ることが
出来
(
でき
)
ぬところから、ぽつねんと
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかし、アメリカ軍は戦争の終末に近づいて不用意に
勢
(
きお
)
って飛び込んで、かなりひどい犠牲を払ったのだということだ。記念柱の下にはアメリカ人らしい遊覧客が車を二三台乗り捨てて眺めていた。
ヴェルダン
(新字新仮名)
/
野上豊一郎
(著)
勢
(
きお
)
い立っているいまの心の捌け場を探すもののよう目をやった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
と妙に砕けて、変に
勢
(
きお
)
って、しょげて、笑って、すぱすぱ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
※
(
まなじり
)
を決して
勢
(
きお
)
い立つ。コン吉は立ちふさがって
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
夫人は急に
勢
(
きお
)
い込んだ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そう数えて来ると、我々が「半七塚」を建立して、浅草に一つの名物を加えるのは、まことに意義の深いことではないか、——と若い委員達が
勢
(
きお
)
い立つのも無理のないこである。
随筆銭形平次:14 捕物帖談義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
所詮
(
しょせん
)
は
男
(
おとこ
)
も
女
(
おんな
)
もなく、おせんに
取
(
と
)
っては
迷惑千万
(
めいわくせんばん
)
に
違
(
ちが
)
いなかろうが、
遠慮会釈
(
えんりょえしゃく
)
はからりと
棄
(
す
)
てた
厚
(
あつ
)
かましさからつるんだ
犬
(
いぬ
)
を
見
(
み
)
に
行
(
ゆ
)
くよりも、一
層
(
そう
)
勢
(
きお
)
い
立
(
た
)
って、どっとばかりに
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
と範之丞は
勢
(
きお
)
っていった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
八五郎は少しばかり
勢
(
きお
)
い込みました。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
果し眼になって
勢
(
きお
)
う伝吉。
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
利助は
勢
(
きお
)
い立ちました。
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“勢”を含む語句
気勢
威勢
大勢
多勢
勢力
姿勢
形勢
水勢
時勢粧
御勢
氣勢
無勢
勢揃
豪勢
上泉伊勢守
助勢
巨勢金岡
伊勢詣
小巨勢
人勢
...