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切
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しきり
ふりがな文庫
“
切
(
しきり
)” の例文
で何事に依らず
氣疎
(
けうと
)
くなツて、
頭髪
(
かみ
)
も埃に
塗
(
まみ
)
れたまゝにそゝけ立ツて、一段と
瘻
(
やつれ
)
が
甚
(
ひど
)
く見える。そして
切
(
しきり
)
と故郷を戀しがツてゐる。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
が、何だか其では
聊
(
いささ
)
か相済まぬような気もして何となく
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せられる一方で、
矢張
(
やっぱり
)
何だか
切
(
しきり
)
に……こう……敬意を表したくて
耐
(
たま
)
らない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
夜延仕
(
よなし
)
でも、達者な車夫で、一もん字にその引返す時は、葛木は伏せた
面
(
おもて
)
を挙げて、肩を
聳
(
そびや
)
かすごとく
痩
(
や
)
せた腕を組みながら、
切
(
しきり
)
に飛ぶ星を仰いだ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今は心も
漫
(
そぞろ
)
に足を
疾
(
はや
)
むれば、土蔵の
角
(
かど
)
も間近になりて
其処
(
そこ
)
をだに無事に過ぎなば、と
切
(
しきり
)
に急がるる折しも、人の影は
突
(
とつ
)
としてその角より
顕
(
あらは
)
れつ。宮は
眩
(
めくるめ
)
きぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まだその時分は
陶工
(
やきものし
)
の名なんぞ一ツだって知っていた訳では無かったが、ただ何となく気に入ったので
切
(
しきり
)
とこの猪口を
面白
(
おもしろ
)
がると、その娘の父がおれに
対
(
むか
)
って
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
縦令
(
たと
)
ひ主命とはいひながら、罪なき
禽獣
(
もの
)
を
徒
(
いたず
)
らに
傷
(
いた
)
めんは、快き事にあらず。彼の金眸に比べては、その悪五十歩百歩なり。
此
(
ここ
)
をもて某常よりこの
生業
(
なりわい
)
を棄てんと、思ふこと
切
(
しきり
)
なりき。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
然
(
しか
)
るに
病院
(
びやうゐん
)
の
中
(
うち
)
では
院長
(
ゐんちやう
)
アンドレイ、エヒミチが六
號室
(
がうしつ
)
に
切
(
しきり
)
に
通
(
かよ
)
ひ
出
(
だ
)
したのを
怪
(
あやし
)
んで、
其評判
(
そのひやうばん
)
が
高
(
たか
)
くなり、
代診
(
だいしん
)
も、
看護婦
(
かんごふ
)
も、一
樣
(
やう
)
に
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
行
(
ゆ
)
くのか、
何
(
なん
)
で
數時間餘
(
すうじかんよ
)
も
那麼處
(
あんなところ
)
にゐるのか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
矢張
(
やっぱり
)
私共でなければ出来ぬ高尚な事のように思って、
切
(
しきり
)
に若い女に
撞着
(
ぶつか
)
りたがっている
中
(
うち
)
に、望む所の若い女が遂に向うから来て
撞着
(
ぶつか
)
った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
然るに
何様
(
どう
)
いうものだったか、其時は勢威日に盛んであった丁謂は、寂照を
留
(
とど
)
めんと欲して、
切
(
しきり
)
に
姑蘇
(
こそ
)
の山水の美を説き、照の徒弟をして答釈を
持
(
もて
)
帰
(
かえ
)
らしめ、照を呉門寺に置いて
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
昼間だから、夜分のようにはないんですが、
傍
(
はた
)
で何かいって
切
(
しきり
)
に慰めたようだった。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何でも
昨日
(
きのふ
)
医者が湯治が良いと言うて
切
(
しきり
)
に勧めたらしいのだ。いや、もう急の
思着
(
おもひつき
)
で、
脚下
(
あしもと
)
から鳥の
起
(
た
)
つやうな騒をして、十二時三十分の
滊車
(
きしや
)
で。ああ、
独
(
ひとり
)
で寂いところ、まあ茶でも
淹
(
い
)
れやう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかるに
病院
(
びょういん
)
の
中
(
うち
)
では
院長
(
いんちょう
)
アンドレイ、エヒミチが六
号室
(
ごうしつ
)
に
切
(
しきり
)
に
通
(
かよ
)
い
出
(
だ
)
したのを
怪
(
あやし
)
んで、その
評判
(
ひょうばん
)
が
高
(
たか
)
くなり、
代診
(
だいしん
)
も、
看護婦
(
かんごふ
)
も、一
様
(
よう
)
に
何
(
なん
)
の
為
(
ため
)
に
行
(
ゆ
)
くのか、
何
(
なん
)
で
数時間余
(
すうじかんよ
)
もあんな
処
(
ところ
)
にいるのか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「また始めやがツた。」と俊男は
眉
(
まゆ
)
の間に
幾筋
(
いくすぢ
)
となく
皺
(
しわ
)
を寄せて
舌打
(
したうち
)
する。
切
(
しきり
)
に
燥々
(
いら/\
)
して來た
氣味
(
きみ
)
で、奧の方を見て眼を
爛
(
きら
)
つかせたが、それでも
耐
(
こら
)
えて、體を
斜
(
なゝめ
)
に兩足をブラり
椽
(
えん
)
の板に落してゐた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
忽ち汁を
舐尽
(
なめつく
)
して、今度は飯に掛った。
他
(
ほか
)
に争う兄弟も無いのに、
切
(
しきり
)
に小言を言いながら、ガツガツと
喫
(
た
)
べ出したが、飯は未だ
食慣
(
くいな
)
れぬかして、兎角上顎に
引附
(
ひッつ
)
く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
“切”の意味
《名詞》
(きれ)布の一部分。転じて布。
《形容動詞》
(セツ)緊急である、余裕がない。
(セツ) 心を込めて祈るさま。
(セツ) 身にしみて強く感じるさま。
《助詞》
(きり、ぎり)のみ。だけ。
(出典:Wiktionary)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“切”を含む語句
大切
一切
切々
突切
打切
切断
切歯
思切
切立
切端
引切
息切
掻切
巾着切
半切
仕切
切通
切符
切掛
手切
...