“引附”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきつ44.4%
ひっつ22.2%
ひきつけ11.1%
ひつつ11.1%
ひッつ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婦人おんな炉縁ろぶち行燈あんどう引附ひきつけ、俯向うつむいてなべの下をいぶしていたが、振仰ふりあおぎ、鉄の火箸ひばしを持った手をひざに置いて
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
色深い美しい顔をした女で、捕えようとすると傍にある壁のはめ板へぴったり引附ひっついてそのまま姿を消すのであった。土地の人は何人たれ云うとなしにそれを板女いたおんなと云っていた。
女賊記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と新造に伴なわれまして引附ひきつけへまいりますと、三人連の職人しゅうでございますが、中央なかに坐っているのが花里を名ざして登楼あがったんで、外はみなお供、何うやら脊負おんぶで遊ぼうという連中
藪は随分しげつてゐるが、雨はどしどし漏つて来る。八は絆纏はんてんのぴつたりはだ引附ひつついた上を雨にたたかれて、いやな心持がする。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
忽ち汁を舐尽なめつくして、今度は飯に掛った。ほかに争う兄弟も無いのに、しきりに小言を言いながら、ガツガツとべ出したが、飯は未だ食慣くいなれぬかして、兎角上顎に引附ひッつく。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)