“ひきつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
痙攣42.9%
引釣11.2%
牽付7.1%
引付4.1%
引附4.1%
惹付4.1%
引連3.1%
2.0%
引卒2.0%
引吊2.0%
(他:17)17.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
癇の強い娘と見え、これを聞くと花は痙攣ひきつった顔になり、今にも卒倒するかと思われるような眼つきで真名古を見上げながら、
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼は自分で自分の頭を打って、雪の中を転げ廻った。そして、「糠だ、糠だ!」と叫びながら、身体が痙攣ひきつるようにのた打ち廻った。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
老伯爵はポロリポロリと涙を流し始めた。頬の肉をヒクリヒクリと引釣ひきつらせながら、哀願するように女将の顔を見上げた。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「いや、そうでない、そうでない!」と、小平太はさも苦しそうに顔面神経を引釣ひきつらせながら、ようよう口を切った。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
あれだけ虚無の魅力に牽付ひきつけられた疲れた人間が、なかなか文学や説明や詩で蘇らせられようとは思えなかった。
褐色の求道 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
メラ/\と絡みさうになる仕掛の焔の凄まじさ、亂れ/\た髮、蒼白い——が妙に人を牽付ひきつける顏、乳の上で絞つた荒繩など、極めて變態的ながら
しかういふものか此時このときばかり、わたしこころめう其方そつち引付ひきつけられた。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あくる朝、駅路うまやじの物音に眼を覚した半十郎、フト床の側に引付ひきつけて置いた筈の、振り分けの荷物を見て驚きました。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
お父さまが塩梅あんべえが悪くなって、眼を引附ひきつける時に来て死水を取れば、誰が何と云っても貴方のうちに極って居るから、腹の立つ事も有りましょうが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婦人おんな炉縁ろぶち行燈あんどう引附ひきつけ、俯向うつむいてなべの下をいぶしていたが、振仰ふりあおぎ、鉄の火箸ひばしを持った手をひざに置いて、
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
——これが私の注意を深く惹付ひきつけた点で、また私もかくあろうとして、平生からつとに戒心しているところである。
ソクラテス (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その代りに芸術と自称するのも恥かしい浅劣、低級な謎々の魅力を以て大衆の注意を惹付ひきつけた。
探偵小説の真使命 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
幾分いくぶんこゝろなぐさむるよすがともならんとかんがへたので、わたくし兩人ふたり引連ひきつれて
此時このとき領主りゃうしゅ公爵こうしゃく多勢おほぜい從者じゅうしゃ引連ひきつれて出る。
しかし、愛嬌あいけうのある、明白てきぱきした物の言振いひぶりは、何処かに人をひきつけるところが無いでもない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
強い、若い、とは言へひきつけるやうに美しい女同志が、赤い脛巾はゞきを當てゝ、吾儕の側を勇ましさうに漕いで通つた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一月二月と経つうちに笹の平の窩人の数はわずか二百人となってしまった。こうして秋が去り冬が来た頃には、笹の平は無人境となった。最後に残った二百人を杉右衛門自ら引卒ひきつれて放浪の旅へ登ったからである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その翌朝よくてう日出雄少年ひでをせうねんわたくしとが目醒めざめたのは八すぎ櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさは、武村兵曹たけむらへいそうをはじめ一隊いつたい水兵すいへい引卒ひきつれて、何處いづこへか出去いでさつたあとであつた。
引吊ひきつったような不気味な文字が、精一杯の威嚇と呪いにノタ打って居ります。
死の予告 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
英子嬢の美しい顔は引吊ひきつって、今にも泣き出しそうです。
判官三郎の正体 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
赤黄色いラムプの片明りの中に刻一刻と蒼白く、痛々しく引攣ひきつれて行く福太郎の顔面表情を、息を殺して、胸をドキドキさせながら凝視していた。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それに腹の皮を引攣ひきつられ翁はいつも胸から上をえびづるのようにたわめて歩いた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その頃から叔父の生活様式が変化して、授業が終ると早速引上げる習慣の叔父が、弟子を相手にいつまでも無駄話をするやうになり、娘子軍じようしぐんの一隊を引率ひきつれて、散歩や映画を見廻ることが連日のことになつてきた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
三十名近い女弟子がゐる中から、いつも五六人の美少女を引率ひきつれて盛り場をぶらついてゐる先生で、その時の様子は甚だ福々しく楽しさうで、我々がそれらの美少女の一人に恋しない限り、決してさういふ先生の姿を憎むことはできない。
不可解な失恋に就て (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
お島は絶えて聞くことの出来なかった、東京弁の懐かしさに惹着ひきつけられて、つい話にときを移したりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しなくなした前垂まえだれがけの鶴さんや、蝋細工ろうざいくのように唯美しいだけの浜屋の若主人に物足りなかったお島の心が、小野田のそうした風采ふうさいに段々惹着ひきつけられて行った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あの大きい田舍町めいた、道幅の廣い物靜かな、木立の多い洋風まがひの家屋の離れ/″\に列んだ——そして甚麽どんな大きい建物も見涯のつかぬ大空に壓しつけられてゐる樣な石狩平原の中央ただなかの都の光景ありさまは、やゝもすると私の目に浮んで來て、優しい伯母かなんぞの樣に心を牽引ひきつける。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あの大きい田舎町めいた、道幅の広い、物静かな、木立の多い、洋風まがひの家屋うちの離れ/″\に列んだ——そして甚麽どんな大きい建物も見涯みはてのつかぬ大空に圧しつけられてゐる様な、石狩平原の中央ただなかの都の光景ありさまは、やゝもすると私の目に浮んで来て、優しい伯母かなんぞの様に心を牽引ひきつける。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
新しい艶のある洋服を着て、襟飾えりかざりの好みもうるさくなく、すべてふさはしい風俗のうちに、人を吸引ひきつける敏捷すばしこいところがあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかし思想が剛健で、しかも観察の精緻せいちを兼ねて、人を吸引ひきつける力のさかんにあふれて居るといふことは、一度其著述を読んだものゝ誰しも感ずる特色なのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
引着ひきついてなやませる。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
子どもが大きい人から引継ひきつがれた行事と、単なる彼らの遊戯との境目さかいめは目に立たない。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この心理はもう衰えかけているが、これが古い日本の遊戯法を引継ひきつぎやすく、また忘れがたくした一つの力であって、御蔭おかげでいろいろの珍しいものの伝わっていることをわれわれ大供おおどもも感謝するのである。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
先着の伴牛ともうしはしきりに友を呼んで鳴いている。わが引いている牛もそれに応じて一声高く鳴いた。自分は夢からめた心地ここちになって、覚えず手に持った鼻綱を引詰ひきつめた。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
別の寒さが松太郎の體中に傳はつた。見よ、お由の顏! 齒を喰縛つて、眼を堅く閉ぢて、ピリ/\と眼尻の筋肉が攣痙ひきつけてゐる。髮は亂れたまゝ、衣服きものはだかつたまゝ……。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「成程、成程、いずれその辺で、大慨気絶ひきつけてしまうのでござろう。」
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「立つにしたって、浜屋へもちょっと寄らなくちゃならないし、精米所だって顔を出さないで行くわけにいきやしませんよ。私だって髪の一つも結わなくちゃ……」お島は腹立しそうにしまいにそこを立っていったが、父親も到頭職人らしい若い時分の気象を出して、娘の体を牽着ひきつけておく風の悪い田舎の奴等が無法だといって怒りだした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かくて、戦争が穀物の輸入を妨げる時には、その結果たるその高き価格は、農業への資本投下が与える大なる利潤のために、資本を土地に牽附ひきつける。
野天博奕のでんばくち引攫ひっさらい又ちょっくらもち見た様な事も度々たび/\遣って、随分悪い事の方にゃアお役に立つ人間だから真堀の海禪さんに此方こなた紹介ひきつけてくれといって手紙を書いて貰ったから
左様そうじゃアねえか、おめえさん後生だ手紙を一本書いて粥河様へ紹介ひきつけてお呉んなせえ、西浦賀の江戸屋半治という女郎屋の弟だが、餓鬼の時分から身性みじょうが悪くって随分お役に立つものだと云って手紙をおめえさんが書いてくれゝば