“引付”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきつ38.5%
ひきつけ23.1%
ひっつ15.4%
ひッつ15.4%
ひつつ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あくる朝、駅路うまやじの物音に眼を覚した半十郎、フト床の側に引付ひきつけて置いた筈の、振り分けの荷物を見て驚きました。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
知て何時にても用達ようだてて呉るのみならず諸處ヘ引付ひきつけ出入場も多く出來るに付明暮あけくれ立入たちいり隱居いんきよの用事とあれば渡世とせいやすみても致し居たり或時雨天うてんにて彦兵衞はあきなひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
吸殻を落すと船腹に引付ひっついて落ちてすぐ見えなくなる。浦戸うらどの燈台が小さく見える。西を見ると神島が夕日を背にして真黒に浮上がって見える。
高知がえり (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
咽喉のどかわいて引付ひッつきそうで、思わずグビリと堅唾かたずを呑んだ……と、段々明るくなって、雪江さんの姿が瞭然はっきり明るみに浮出す。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今更おかくしなさるには及びませんさ。若い男と女が一間ひとまに入つて、取付とつつ引付ひつつきして泣いたり笑つたりしてをれば、訳は大概知れてをるぢや御座いませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)