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嫵
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ひきつ
ふりがな文庫
“
嫵
(
ひきつ
)” の例文
それに、この男の巧者なことには、妙に
人懐
(
ひとなつ
)
こい、女の心を
嫵
(
ひきつ
)
けるやうなところが有つて、正味自分の
価値
(
ねうち
)
よりは其を二倍にも三倍にもして見せた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかしお志保は其程
香
(
か
)
のある花だ、其程人を
嫵
(
ひきつ
)
ける女らしいところが有るのだ、と斯う一方から考へて見て、いよ/\其人を憐むといふ
心地
(
こゝろもち
)
に成つたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
強い、若い、とは言へ
嫵
(
ひきつ
)
けるやうに美しい女同志が、赤い
脛巾
(
はゞき
)
を當てゝ、吾儕の側を勇ましさうに漕いで通つた。それは
榮螺
(
さゞゑ
)
を取りに行つて歸つて來た舟だつた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
まあ、
宗教
(
をしへ
)
の方の情熱が籠るとは見えない迄も、何となく人の心を
嫵
(
ひきつ
)
ける
樸実
(
まじめ
)
なところがあつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
嫵
部首:⼥
15画
“嫵”を含む語句
媚嫵
嫵媚