“引詰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひッつ50.0%
ひっつ25.0%
ひきつ8.3%
ひきつめ8.3%
ひっつめ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眉のやや濃い、生際はえぎわい、洗い髪を引詰ひッつめた総髪そうがみ銀杏返いちょうがえしに、すっきりと櫛の歯が通って、柳に雨のつやの涼しさ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「後ろを引詰ひっつめ、たぼは上の方へあげて水髪にふつくりと少し出し」た姿は、「他所よそへ出してもあたまばかりで辰巳仕入と見えたり」と『船頭深話せんどうしんわ』はいっている。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
先着の伴牛ともうしはしきりに友を呼んで鳴いている。わが引いている牛もそれに応じて一声高く鳴いた。自分は夢からめた心地ここちになって、覚えず手に持った鼻綱を引詰ひきつめた。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
あのしなやかなる黒髪引詰ひきつめに結うて、はらわた見えたるぼろ畳の上に、香露こうろなかばたまなおやわらか細軟きゃしゃ身体からだいといもせず、なよやかにおとなしくすわりてる事か、人情なしの七蔵め
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
引詰ひっつめに結っているので妙な工合に眼が釣るし上り、一層意地悪そうに見える。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)