“撫付”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なでつ90.0%
なでつけ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見た処は強そうな、散髪を撫付なでつけて、肩の幅が三尺もあり、腕などに毛が生えて筋骨たくましい男で、一寸ちょっと見れば名人らしく見える先生でございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あんまり急いだもんだから、髪なんぞ撫付なでつけていられなかったのよ。酔払よっぱらいで仕様がないお客なのよ。」
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
山之助が漸うに起上って燈火あかりで顔を見ると、成程年齢としごろは四十一二にして色白く、鼻筋通り、口元が締って眉毛の濃い、散髪の撫付なでつけで、額から小鬢こびんに掛けてきずが有りますなれども
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やがて頭巾を取ると総髪そうはつ撫付なでつけで、額には斯う疵がある、色黒くせい高く、これからこれ一抔いっぱいひげが生えているたくましい顔色がんしょくは、紛れもない水司又市でございますから、親の敵とすぐ討掛うちかかろうと思ったが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)